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金持ち彼氏と貧乏彼氏  作者: D@2年連続カクヨムコン受賞
第四話 激闘!中間テスト
23/96

学校①

 ついにゴールデンウイークが終わってしまった。

 色々と(黒歴史も)あったが、なかなか濃厚な日々だった。

 そして……


 戦争のゴングが鳴るのだった。


 連休明けのクラスは、みんな浮ついていた。どこに旅行に行ったのかや、みていたテレビ番組の話などなど。去年はどこにも行けなかったので、肩身が少し狭かったが、今回はちゃんと日帰り旅行までしているのだ。どや顔で、旅行トークに参加できる。ウキウキでクラスメイトに話しかけようとしたその時。

 奴がきたのだった。


「おう、山田。この前はありがとうな」

 金田はいつものように、ルンルンだ。こいつにはサザエさんシンドロームのような概念はないのだろうか。いつもこんなに元気で、うらやましいかぎりだ。日曜日の学校イヤイヤ期のおれに、爪の垢を煎じて飲ませてくれないだろうか。いや、金田の爪の垢はのみたくないけれど……

「おまえら、連休中になにかあったのか。いやに、親密そうですな~」

 クラスメイトがそう突っ込んできた。やめろ、そんなことを言うと、あの惨劇を思いだしてしまうだろうが。


「ああ、実はふたりきりで、濃厚な休日を過ごしてな」

 金田はどや顔で、誤解を生みそうな発言をする。こいつはわざとだ。

「おいっ!」

「なんだよ、あの濃厚な日々は遊びだったのか」

「だーかーら、遊びに決まってるだろう」

 旅行が遊びじゃなかったらなにになるんだ。そう思って、反射的に金田に突っ込んでしまった。言ったときに気がつく。これは大悪手だ。

「ひどい。おれとの日々は遊びだったのね」

 やはりこうなったか。


「がやがや」

「おい、あのふたり、まさか」

「イズミちゃんかわいそう」

「センテンス・スプリング」

「アッー!」

 クラスは阿鼻叫喚の反応をみせた。やめて、ネット配信はやめて。


「おまえ絶対にわざとやってるだろう」

「ナンノコトダカサッパリ」

 金田は不自然に片言となった。こいつは絶対に確信犯だ。完全にはめられた。

 こうして、連休明けそうそう、話題の中心になってしまったおれだった。いや、少しだけ美味しいとかおもってないんだからね。勘違いしないでね。この負の連鎖に対応する方法をだれか教えろください。いったい、何回このひっかけにひっかかっているんだろうか。


 そして、黒板に書いてある行事予定を見ておれは気がつく。

「ああ、もうすぐテストか」と。

 おれの人生を揺るがすあの激闘の日日がまた始まろうとしている。

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