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金持ち彼氏と貧乏彼氏  作者: D@2年連続カクヨムコン受賞
第三話 ゴールデンウィーク
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日帰り旅行①

 図書館から帰ってきたおれは、疲れ果てて眠りに落ちた。もう、いろいろと恥ずか死ぬ状況だったから疲れたのだ。

 そして、不吉なアラームで、たたき起こされたのだった。このアラームということは、主はあいつ……。

 窓から見える景色は、真っ暗になった街だった。


「誰だよ、せっかくのゴールデンウイークの昼寝時間を邪魔する奴は」

 そんな奴はひとりしか知らないんだけどね。

 スマホの着信通知は金田の名前だった。


「おう、山田。なにしてた?」

「寝てた」

「だから、電話しても出なかったのか」

「なんだ?」

「明日、朝七時に駅前集合な。オーバー」

「ワッツ?!」

「ツーツー」

 有無を言わせず、おれは金田と約束させられた。拒否権もへったくれもない通話だった。

 こんな誘いはいかなくてもいいのにな……。

 そう言いつつ、明日が楽しみになるおれがいた。連休中に予定が入ったことが、予想以上に嬉しかった。たとえ、一緒に行くのが金田であったもな。ただ、そう思うと、少しだけ心配にもなる。


 次の日の朝。

 おれは駅前にいた。天気は晴朗。


 せっかくの連休なのに、六時起きだった。

「おーい山田。こっちだ、こっち」

 朝早くから元気なやつだ。

「なんだよ、金田。こんな朝早くに」

 どうせ、アニメ関係のイベント行くから付き合ってとかだろうけどな。

「おう、ほいこれ」

 いきなり、切符を渡された。なんだか、県外の地名が書かれている。

「行くぞ、トールンキャッスル!」

「おい、どこだよ、それ」

「なんだ、ドイツ語のほうが好きか。行くぞ、ローゼンブルク」

 ローゼンブルク? 茨の城? それって、隣の隣の県じゃないのか?

 目的地もよくわからず、おれたちの日帰り旅行が始まった。

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