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朝になればやっぱりお腹は減る

拝啓ご両親様

私に高校生で最初の友達が出来るようです

朝、ベットからのそのそと這い出しルームウエアから制服に着替える。

一通りの身支度を済ませ鞄の中に教科書やら何やらを詰め食堂に向かう。

フワッと鼻を掠める朝食の美味しそうな匂い。


あ、今日は味噌汁だ


頭ではそんなことを思いつつ足はしっかりと食堂に向かって歩んでいる。

食堂に入るとすでに何人かが食事を始めていた。

愛美先輩はまだ居ないよう

目線だけで室内を見回していると食堂の奥のテーブルに目を引く女子生徒の姿

大きくてガッチリしてるのが遠目でも分かる。

でも、女子の制服を着ていなかったら男子だと思ったかもしれない。


リボンの色から察するに一年生


私はまだ友達と呼べる相手がこの学校には居ない


そこからの私の行動は早かった。

「相席しても良いですか?」

はじっこの席に着くガッチリ系女子に声をかけると驚いたように顔を上げた。

「え?あ、どうぞ」

「ありがとうございます」

第一関門クリアと内心でガッツポーズをしながら表面上は穏やかに向い合わせの席に着く。

「いただきます」

箸を手に取り手を合わせる

「めしあがれ」

思わぬ返事が返ってきた。

顔を上げると彼女はハッとしたように顔を逸らした。

「つい癖でね」

照れたようにボソッと溢した。

「良い癖だと思うよ」

ニコッと笑うと相手もつられて笑った。

「自己紹介まだだったね

(わたし)は、一年五組の桜庭 美姫よろしくね」

「同じクラスだ

(あたし)清水(しみず) 百合(ゆり)

よろしく」

「昨日とかクラスに居なかったよね?」

軽く握手を交わしながら問う。

こんなに目立つ人を見落とすわけがない

「昨日も一昨日も試合だったから居なくて当然」

百合さんはしれっと答えた。

だから今日が初登校

恥ずかしそうに続けて誤魔化すように味噌汁を飲み干した。

「すごいなぁ、入学してすぐに試合とか強いんだね」

「そうかなぁ?

でも、学校行く前に同じクラスの女の子に会えて良かった。教室入るの緊張してたから」

「ですよね

私と百合さん以外五組はみんな男子なので凄く居づらいです」

味噌汁ダシが効いてて美味しいなぁ

昨日や一昨日の居心地の悪さを美味しい朝食で誤魔化し流し込みながら言うと案の定百合さんはガッカリしたような表情になった。

「え、そうなの!?

あ、それと敬語と『さん』づけいらないから

同じクラスなら多分行動一緒になるだろうし、お互いに気を使わない方良いでしょ

私も美姫って呼び捨てにして良い??」

「うん、良いよ百合!」

笑いあって居ると食堂のおばちゃんが「そろそろ遅刻するよー」と訛りが入った大声を飛ばした。

食べ終わっている百合は良いとして私は急いでご飯を掻き込んだ。


楽しい時間が早く過ぎるってこの事ね・・・

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