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ピンチって早々何回も起こる事?

拝啓ご両親様

私に美人の先輩が出来ましたが、学校生活は暫く波乱が続きそうな予感です。

「私は三年の周防すおう愛美あみ

貴女の名前は?」

周防先輩の勧誘に勢いのある返事をしてから私たちは部室向かって歩いていた。

「私は桜庭美姫です。」

道中自己紹介をしながら

「美姫ちゃんって呼んでもいい?

その代わり私の事も名前で呼んで!」

喜色満面ともすれば花弁を散らす笑顔を振り撒きながら嬉しそうに言う先輩。


「ここの学校って共学の割りに女の子少ないでしょ?

だから、女の子の後輩が欲しかったの」


だって男の子ばっかりで一年生も二年生も心細かったから


そう続けた顔は少し俯いて寂しさが滲んでいた。

「だから、美姫ちゃんが入部してくれてすごく嬉しい」

ぱっと顔を上げると私の手を取りながらありがとう、ありがとうと繰り返す先輩

それもつかの間突然その顔が盛大にひきつった。

「げ、演劇部・・・」

振り向くとそこには見目麗しい二人の男子生徒がこちらに向かって歩いて来ていた。

「周防、『げ』はないだろ」

然り気無く私を庇うように愛美先輩は前に出た。

「あんたらなんて『げ』で十分よ

寧ろ声を出して反応してあげた事に感謝して欲しいくらいよ」

「つれないなぁ」

「元からつられるつもりもつるつもりもないわよ」

そう切り返すと行きましょと私に声をかけ、手を繋ぐと踵を返してその場合から離れようとした

その時やんわりと手首を捕まれた。

「ところでこの子だーれー?」

かわいい子じゃん

と続けて興味津々の瞳が私を映した。

「私の可愛い後輩から手を離して」

少し怒ったような愛美先輩

「良いじゃん名前くらい」

減るもんでもないんだからさ

にこにこ笑ってるはずなのになんだか笑ってない男子生徒の片割れと優しく掴んだまま手を離してくれないもう一人

「知らない人に名前聞かれても教えるなって親から教わらなかったの?」

防犯的にあんた大丈夫?

不審者扱いされても文句言えないわよ

そう冷たく切り返されても二人は退く気がなさそう

「三年の尾野おの貴人たかと

すると今まで黙っていた手首を未だ離してくれない先輩が言った。

「なるほどな、同じく三年の喜島きじま裕樹ひろき

知り合いになっちまえばいいんだろ?

そう笑いながらもう一人の先輩も名乗った。

だから君の名前教えてね

ハートマークが飛びそうな素敵なウインクをしつつ目線を合わせられた。

当の私は気恥ずかしい気持ちをどうする事も出来ないままボソボソと

一年の桜庭美姫です。

聞こえるか聞こえないかの声で言った。

顔が近い!顔が熱い!!

「美姫ちゃんが可愛いからって口説かないでよね」

強引に愛美先輩は尾野先輩の手を引き剥がし、私を抱き締めるように庇った。


「焼きもち焼くなって

周防が望むなら周防も口説くよ」

「『も』って何よ、口説かれても落ちないわよこのタラシ!」

捨て台詞を吐きつつ私を引きずって部室まで小走りでかけていった。

演劇部の先輩方は幸いにして追ってこなかった。



「今年は面白い子が入ってきたねぇ」

「周防でも良いが、あの子にアレをやって貰いたいものだ」

「同感」


私たちを見送る二人がそんな会話をしていた事になんて私も愛美先輩も知らなかった。


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