後悔の海
拝啓ご両親様へ
私は今、後悔してます。
「ねぇ、君うちのマネージャーやらない?」
「コンピューター部どうよ??」
「いーや、バスケ部のマネージャーやってくれ!」
・・・桜庭美姫、高校一年生二日目にして男子生徒、主に三年生(ネクタイの色でしか判別出来ない)に迫られてます。
私の入学した高校は共学だけど、女子生徒の数が極端に少ない
生徒全体の半分以下と言う意味ではない。
各学年の女子生徒の数が片手で数えられるほどしか居ない。
入試の時は男女比がほぼ一緒だったのに九割方の女子が落ちる試験ってどんな問題出したんだよ!
高校を決めたのがおよそ半年前
入寮したのが一週間前
入学したのが昨日
入学二日目にして絶望と後悔の海に投げ出されております。
こんなに男の子がいっぱい居る状況になれてないからすごく怖い。
「ねぇ君、文学部に入ってみない?」
そんな中、耳にスライディングを決めた声。
ガッチリ系男子をかき分け笑顔を見せる黒のセミロング美女
目があった瞬間後悔の念はぶっ飛んだ
「是非、文学部に入らせて下さい!!」
イスを蹴倒して立ち上がる。
思ったよりも大きな声が出たのは仕方が無い。
いきなりの事にドン引きする男子生徒とカラカラと笑うセミロング美女
「よろしくね、後輩ちゃん」