表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『「またね」』関連作品

海が見える方へ

作者: ソラヒト

会話と運転状況を交互にしてみました。

身体からだの相性って、あるよね」

「いきなり、だな」


 交差点にかかる。信号は黄色。静かにブレーキを踏みながら、左折レーンに入る。


「私たち、かなりいいよね」

 悪いとは思わないけど、得意の苦笑いを浮かべる。

「・・・そうですね」

「何? 今の間は? それに丁寧語」


 信号は赤からあお。左折して直進。


「星占いだと、恋愛面の相性は最悪だったじゃない? 私、けっこう落ち込んだのよ」

「占いなんて、当てにならないもんだろ」


 まだしばらく直進。


「男の人って、わざと無口になるときが」

「照れくさいもんなのさ」

 言わせずに返す。

「ずるい」


 長く緩やかなカーブ。


「よくケンカするのに、まだ一緒にいるね」

「そうだな」

 そろそろ腐れ縁かもしれないが、惰性だとは思わない。


 ゆっくりと右折。


「ときどきね、すごく不安になる。嫌われたんじゃないか、って。大丈夫って分かってるのに、本当に大丈夫なのかな、って」


 インターチェンジが見えてきた。ETCカードは挿してある。


「だからね、確かめたくなるんだ。つまんないことかもしれないけど、そういうときは、ちゃんと答えて欲しいの」


 高速道路を南へ、海が見える方へ。


「私、あなたを愛してる」


 アクセルを踏み込む。背景が加速してゆく。


「あなたは?」


16/9/16 Fri. ~ 16/10/20 Thu.


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ