つまり僕はただのバカってことかな
街中を歩いていくと、こちらをチラチラと見る人たちがいた。やはり、異世界の服装はこの世界では見慣れないのだろう
・・・・この服装浮いてるよな~・・・よし、まとまった金ができたらとりあえず服を買おう。
そう心に決め冒険者ギルドへの道を急ぐ
「ここが冒険者ギルドか、結構でかいな。これから迷い人をたくさん受け入れるんなら、ある程度広くないとやってられないか」
冒険者ギルドは三階建てで、小さめの城のようであった
さっそく中に入ってみる
「すいませ~~ん。門番のガンツさんの紹介できたんですけど~~」
西部劇でよく見る両開きのドアを控えめに開けると、中は結構賑わっていた。
僕の呼びかけには近くにいたウエイトレスらしき人が、対応してくれた。
「ようこそ、バース冒険支部へ。門番さんの紹介ですね、奥にある受付に進んでください」
そう言われた僕は、中を見渡しながら、受付へ向かって歩く
いくつもある、頑丈そうなテーブルにイスそれに座る、柄の悪そうな人、顔に傷を負っている人、楽しそうに笑い合っている若者たち、ローブを頭からかぶっている怪しい人、実に様々な人がいる
そのうち何人かが料理を食べているので、食堂の役割もここは負っているようだ。
そして、受付の前に立ち受付の女性にガンツさんにもらった紹介状を渡してもう一度先ほどのセリフを言う
「すいません、門番のガンツさんの紹介で、きたんですけど。」
「はい、ガンツさんの紹介ですね。紹介状も確かなようです。では、こちらに来てください」
そう言うと受付の女性は立ち上がり、僕を受付の奥へと先導する。
受付の奥には小さな個室があり、そこで待つように言われた
しばらくして、ローブを身につけたナイスミドルが部屋の中に入ってきた
「はじめまして、僕は副ギルド長のアランといいます。よろしく」
右手をスっと出されたので、こちらも右手を出し握手し、名前を言って手放す
「僕はラブといいます。よろしくお願いします。」
「あなたは迷い人ということでしたがあってますか?」
「はい、どうやらそのようです。いきなりこの世界に来てびっくりしています。」
アランの質問に答えると、書類を取り出した
「とりあえず冒険者のギルドカードを仮で作っておくから、それを持って教会に行ってもらえるかい?、そうすればこの世界の常識とか必要そうなものは教えてくれるからね。場所は北門のすぐ側にあるよ」
そう言ったあとに、アランさんはローブの中からカードを取り出し、なにか文字を書き、それを僕に差し出した
「これが仮ギルドカードね。教会でいろいろ教えてもらったあと冒険者として生きていきたいなら、またここに来てこのカードを受付に出してもらえれば簡単に登録できるから、冒険者になりたくなくてもこの街での身元証明書になるからすてないほうがいいよ」
何が書かれているか分からないが、とりあえず仮カードをもらっておく
「いろいろ教えてくれてありがとうございます。またすぐここに来ると思いますが、行ってきます。」
「うん、いってらっしゃい。」
部屋から出ると受付の女性が待っており、元の受付の入口までついてきた。おそらくギルド内の秘密の場所に行かせないためだろう。
「それでは、またのご利用お待ちしています。」
「はい~、また~すぐ来ますよ~。」
「・・・」
機械的な彼女の言い方を崩したくて少しバカっぽく答えてみたが。本当のバカを見るような視線を返された。
その視線に堪えたことを悟られないように冒険者ギルドを出た。そのまま教会に行く途中、歩きながらさっきの受付嬢の視線を思い出し、独り言を呟く、
「久しぶりに、あんな目線向けられたな・・・。よし!大丈夫、ピエロは慣れてる。」
バカをやって笑われていないのなら、ピエロでは、無いのであろうが、細かいことを気にしていたらゲームが進まないので、とにかく前向きに物事を考える僕であった。