気持ちいいと興奮するのは仕方ないじゃないか!
主人公のテンションが高いのは、VRMMOをプレイできているという実感のせいです
「・・・何なんだよあのゲームの入り方、絶対運営頭おかしいだろ・・・」
目覚めた僕は、悪態をつきながら周りの景色を確認する。
すると、遠くに門があるのが見えた
遠くからでも門は、かなりの大きさと強度があることが分かるほどであった。その門から壁が広がっていた。
どうやらぐるりと囲んでいるようだ
第一村人よろしく、第一NPCに会うため、あの門へ行きたい気持ちを抑えて自分のことを確認する
手のひらを緩やかに閉じて・・・開く、・・・どうやら現実の感覚と変わらないらしい
立って足を屈伸してみる
「・・・足が動く・・・」
事故に遭ってから二週間、久しぶりに足を動かせることに感動していた
ク〇ラが立ち上がったことに周りが感動したことを「そこまでするか」と思っていたがけど・・・、ク〇ラごめん、これかなり感動する・・・
ク〇ラに謝罪しながらウィンドウを開き装備の欄を見てみる
「ウィンドウオープン」
服:長袖Tシャツ・・・異世界からきた人間がよく身につけている服
ジャージ・・・異世界から来た人間がよく身につけている服
スニーカー・・・異世界からきた人間がよく身につけている靴
アクセサリー:なし
武器:なし
防具:なし
やはり、『異世界から来た迷い人』の設定が反映されているのだろうか、着ている服は現実世界でよく見る感じだ。
次にステータスを見てみる
Lv:1
HP:10
MP:10
AT:10
DF:10
MA:10
MD:10
DE:18
やけにDEの値が高いな、現実でも指先を使う作業は、得意だから認められたようで嬉しくは思うけど・・・
ほかの欄も見てみたが空白で何も特筆することはなかった。
「・・・・・・さて、じゃあ町に行くか。レッツゴー!!!!」
確認したいこともすべてしたので、はやる気持ちを解き放ち街へ駆けていく
「ふふっ!」
折れた足ではできない、走るということの気持ちよさに自然と笑みがこぼれる
そして、数分後見えていた門に着き、門番の人が興奮したように近づいてきた
「そんなに急いでどうしたんだ?まさか!魔物が出たのか!!!」
・・・どうやら本気で走ったせいで途中から苦しくなり、表情が険しくなっていたようだ
「・・・ッハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・いや・・・違っ・・・うんです・・ようやく・・街が・見えて・嬉しくなっちゃって・・・ハァーーーー」
息を整えつつ、ゲームの設定にのっとった嘘を交え門番の人と話す
「お、おぉ・・・そうか、そういえばこの辺じゃ見慣れない服だが、もしかしてここから違う世界から来たのか?」
「はい!そうなんです!でも、よくわかりましたね?」
「いや、最近、そういった連中がよく来るんだ。だからだよ。」
「そうなんですね!僕だけじゃなくてよかったです。」
「異世界から来たなら、この街のこととか何にも知らないだろ、とりあえず冒険者ギルドに行けばいろいろ教えてくれるから行ってこい、この道をまっすぐ行けば着くぞ、・・・っとその前にほれ。これでも飲んで少し待っててくれ、紹介状をかいて渡すから。」
そう言って、門番の人から水の入ったコップを受け取ると、彼は、すぐそばにあった扉へ入っていった。
ゴキュン・・・ゴキュン・・・ゴキュン・・・
左手を腰に当て、軽く仰け反りながら熱く火照った体へ大きくのどを鳴らしながら水を流し込む
「・・・・ップッハ~~~~!!水うめ~~~!こんなに水がうまいと思ったことなんてひさびさだなー!」
渇きを潤し、握り締めたグラスを見る
「・・・ガラスを加工するぐらいの技術はあるのか、思っていたより文化が進んでいるな・・・」
この世界の文化レベルが想定していたよりも高いことを確認していると、門番の人が戻ってきた
・・・・・名前聞かないとな・・・
「じゃあ、この紙を持って冒険者ギルドに行ってこい、この紙を持っていけばいろいろ説明してくれるから。」
「ありがとうございます、ところで門番さんの名前はなんて名前ですか?僕はラブといいます」
「そう言えば名乗ってなかったな。俺はガンツ!この町の勇敢なる北の門番さ!」
「ガンツさんですね、ところで北の門番ということは、他にも門があるんですね。」
「ああ、ここの街の入口は北と南、西と東の四箇所だ。」
「四箇所もあるんですね。」
「そうさ、ここの街は国の中央に近い拠点の一つとして多くの商人や旅人が集まってくるからな!」
迷い人をこれからたくさん受け入れるなら、そりゃおおきくないといけないか・・・
「・・・、じゃあもうそろそろもう冒険者ギルドに行ってきますね。お世話になりました。」
「おう!気をつけて行ってこい!」
手を振って見送る元気な門番さん、ガンツを後に冒険者ギルドに向かう。