いとこ・・・は策士
「おーいマナ~~生きてるか~~~」
両親の帰ったあと寝ていると聞き覚えのある声が聞こえきた
いとこの藤吉 橘紗だ コイツは父の妹の子供で、家族構成が父、母、妹と姉が一人ずつで、僕の家族と同じ構成で、歳も同じ、誕生日が10日違いだけということで双子の兄弟のような扱いを周囲から受けてきた。また、お互いの姉妹も年が近いので仲がよく、家族ぐるみの付き合いをしている
こいつの性格は、簡単に言うと遊び人でありよくゲーセンに行き散財している。
一緒にゲーセンへ行ったことがあるがよく行くだけあって素人から見たらかなりの足さばき、手さばきであった、
僕はそこそこオタクで、古い作品が好きで、家に閉じこもるタイプであるのに対し、キッサは新しい作品を見続け、イベントにも積極的に行く活動的なオタクだ
なので、よくイベントの話をしてもらう
友達も多く、紹介してもらった中にはtheオタク口調のキャラが濃い友達がいた「マナカ氏~」と言われたときは、本当にこんな口調のやつがいるんだと思った。
まぁつまり、いとこ兼、兄弟兼、親友といった関係である
「ああ生きてるよ、なんとかね。見ての通り右足折っちゃてね、高校に行けるのは入学式の1ヶ月とか後になりそうだけど・・・」
現在1月下旬、完治まで3ヶ月かかるなら高校に出れるのは4月下旬以降となる
「そうか、お互い推薦で同じ高校に合格決まったのに残念だよ・・・」
「すまん」
「いや、お前のせいじゃねーから。だから謝んな」
「うん・・・、そうだな、じゃあ話を切り替えて・・・・中学の出席日数はぎりぎり大丈夫そうだから心配ないけど、学校に行かない間何しようかね~」
退院して自宅療養したとしても、趣味の料理とかもあまりできないだろうし、勉強するにしても他がほとんどできないから、時間が有り余るしな、リハビリもある程度治らないとできないし、
そう思っているとキッサが話しだした
「じゃあさ、これやらね?」
差し出したのは今度発売するゲームの宣伝をするスマホの画面だ。
「ゲームか~、ん~~~」
ぼくは、ラノベ、漫画、アニメは好きだが、ゲームはあんまりやらないからキッサの提案に唸ってしまう
そんな僕を見てキッサが補足する
「これな、ただのゲームじゃなくてお前の好きなラノベとかによく出る、いわゆるVRMMOなんだよ」
その言葉を聞きぼくは答える
「よく宣伝してたから知ってるけど、今の科学技術でそれを本当にできるかが疑問なんだよ。そこそこ高いし・・・」
「確かに、その不安も、もっともだけど、虎穴に入らずんばなんとやらって言うだろ?だから一緒にやろっ!なっ!!」
「ん~~~~わかった、そこまで言うなら、とりあえずやってみよう、ここなら環境も整っているしね」
ここは新しい病院だけあって、インターネットとかの環境がかなり高いレベルで整備されているから、宣伝されているゲームもすることができる
「だけどつまらなかったらすぐ売るからな」
「やったね!たえちゃん子供ができるね!」
「子供はできねーよ!それと、たえって誰だよ!」
まあ、知ってるけど
しばらくそんなやりとりを繰り返し
キッサが帰り際に
「じゃあ、ヘッドギア2つ分の予約はもう済んでるから発売日になったらもってくるわ~~金、準備しとけよ~~~」
と言い残し去っていった
・・・・あいつもとから僕を巻き込むつもりだったな・・・