「知らない天井だ・・・」なんて急に言えない
「・・・・・・・・・・・・・・・・どこだ・・ここ?」
自分の部屋とは違うベッドの上で目を覚まし僕は戸惑いを感じていた。
そして自分の身に起きた事故を思い出し、飛び起きようとする
「たしか・・・・事故に・・・・、そうだ!か・・ら・・だァッ~~~~~!!」
・・・が、背中に激痛が走り強制的に中断させられた
痛みに悶えながら体を確認すると、どうやら腰を固定するようにコルセットを巻かれ右足にはギプスがついていた。
あれだけの事ではこれだけの処置は仕方ないにしても
「・・・ハアーーこれから長いこと入院生活だろうなーー、まあ生きてるだけ良かったか」
怪我に対して愚痴をこぼしていると、ガラガラと扉が開く音がした
「マナトさ~~ん。起きたようですね。」
「・・・はい。おはようございます。」
大きな独り言を吐いていたので、聞かれていたかもしれないと思うと、少し恥ずかしかったが、訪れてきた若いナースさんに怪我の状態の詳細をおそるおそる聞いてみる
そうするとナースさんが
「えーーーっとたしか、背骨にヒビ、右大腿骨が骨折しています。」
「そうですか、・・もしかして一生車椅子生活ですか・・・・?」
「それは、後ほど、担当医の方に聞いてください。いま、ご家族の方に連絡を取りますのでお待ちください」
そう言うと彼女は部屋から出ていってしまった
「まあ、無責任なことは言えないか」と思いつつ、自分のいる病室を見る
一人部屋で真新しく、モダンな感じだ。多分、つい最近出来た最新医療機器満載であることを宣伝していた病院のようだ
「この病院なら入院してもいいな~~」と言ったこともあるが、まさか、こんなに早くお世話になるとは・・・
そう考えていると、先ほどのナースさんが再びやってきて
「ご両親に連絡がつきました~~、30分くらいでこちらに着かれるそうです。」
と、教えてくれた。そして、また部屋からすぐ出ていった
また一人取り残された僕は自由に動けず持ち物がどこにあるのかわからないので、両親と会うまで自分の記憶がきちんとあるか確かめてみることにした。
僕の名前は、イオリ マナト 漢字で、伊従 愛門 誕生日は6月10日、趣味は料理、AV鑑賞、好きなことは物を作ること、得意なことは細かい作業、家族はお母さん、お父さん、姉と妹が一人ずつ、それとゴールデンレトリバーの『フク』、4月から高校生・・・なんだけど入学式大丈夫か?
・・・えーっと、それから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記憶をたしかめつつ、これからの生活を不安に感じているうちに両親がやって来た