双子の街
「カストルはその名の通り双子座からきている、ポルックスとその双璧であるカストルだ。公式に現世界とエレメンタルを繋ぐのはこの都市だけだ。まぁ、現世界の人間でそれを知る者はほぼいないがね。」
「............」
ボクはサダさんが用意した服に着替えた。身体がダルい。
「その服は連邦局での正装だ。しかし、君のモノは特注で、能力を抑える生地で作られている。多少のダルさはあるが、時期に慣れるさ。」
✳︎✳︎✳︎
部屋を出ると、そこは病院のようだった。ポルックスの病院は中央病院しかないはずだから、おそらくそれだろう。
「ここはキミの思う通り、中央病院だ。しかし、連邦局の管轄の地下2階だ。これから更に地下に降ると、そこがカストルだ。」
言われた通りに、廊下を進むとエレベーターホールに着いた。待つ途中、誰かの視線を感じた。
「すまない。急用が出来た。ここから先は君一人で行ってもらう。エレベーターが最下層に着いたら、僕の仲間がキミを連行する手筈になってる。大丈夫。味方だと思ってくれていい。」
「――ヒロにはいつ会えますか。」
「断言は出来ないが近いうちと言っていい。」
「サテツおばさんは......」
「彼女は連邦局が保護している。心配しなくていい。」
「............」
「では、失礼するよ。」
✳︎✳︎✳︎
エレベーターが開きボクを招き入れる。中に入るも、何も変わらないエレベーターそのものだった。操作盤を見ても8F〜B2としかなっていない。
『サダさん説明不足だよ』
するとボクの脳に直接語りかけるサダさんの声があった
『操作盤の1FとB1Fの間に指を置いてごらん。能力者の波長を受けて地下へと動き出すから。』
『それよりこの声はなんですか?』
『これは空の能力によるテレパシーだ。君も直ぐに習得できるさ。それでは、あとは任せたよ。』
言われた通り、操作盤に指を当てた。エレベーターが下層へと動き出す。
✳︎✳︎✳︎
電光表示がB20Fを過ぎた時、突然エレベーターが止まった。ボクは衝撃から尻もちを着いた。
「着いたのかな?」
次の瞬間、謎の力によって扉が強引に壊された。外には、連邦局と思しき人たちがこちらに銃剣を向けていた。
「あのー、サダさんに言われてここに来たんですが......」
「............」
「どうすれば......」
《パウンス》
彼らはボクに向かって発砲した。ボクは驚きから身を屈めた。
《ディフェンド》
突然、何者かが連邦局員とボクの間に割って入った。銃剣による攻撃を彼が防いだ様だった。
《スクリーン》
「逃げるよ。」
「えっ!」
彼は僕の腕を掴み、走り出した。枝分かれした長いトンネルを、彼は迷いなく進んでいく。