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イケメンとサイフ

お店に入ると、女性たちが一瞬こっちを見て、直ぐにはっとして元に戻る。

みんな雄太君に目を奪われてしまうのだ。

仕方ないよね。

私もそうだったもん。


雄太君とは高校は別だけど駅が一緒だ。

なんと言うか、一言でいうと私の一目惚れ。

一見クールに見えて、笑うと少しみえるエクボは、少年の様なあどけなさを残す。

私は一瞬で恋に落ちてしまった。

それからは時間を合わせて朝夕と彼を目で追った。

友人にはストーカーと言われたが…。

そんな時なんと、向こうから声をかけてくれたのだ‼︎

「君、東校だよね?この制服って。妹が行きたがってるんだけど、少し話聞かせてくれないかな?」

おまけに妹想いだなんて…!


それからケータイ番号を交換して、こうして時々会うようになった。

主に一緒にご飯食べたり。たまにゲーセンにも行くかな?

本音を言えばもう少し先へ進みたいけど、今はこうして一緒にいられるだけでもイイかな。

「俺はこの期間限定ステーキにするけど、あさみは?」

はっ!妄想にふけってて何も考えてなかった!

「あっ、あたしもそれで」

確かテレビで相手と同じものを頼むと好感持たれるって言ってたぞ。

ほんまかいなTVで。

「オッケイ」

雄太君のアーモンド型の目がにっこりと細められた。


雄太君は食べる時は無口。

でも男の子ってみんなこんな感じなのかな?

女子同士だとおしゃべりメインだからなあ。

こうやってゆっくり食べるのもイイよね。

15分ほどで、雄太君は食べ終わると、

「ドリンクバー行くけど、何か持ってこようか?」

「あっじゃあ烏龍茶を」

「オッケイ」

また雄太君の目が細められた。

私はこの顔が凄く好きだ。

程なくして、雄太君が戻って来るとケータイが震えた。

「ごめん、出てもイイかな?」

済まなそうにそう言うと雄太君は電話に出た。

「…おう、うん、そっか、じゃあわかった。今から行くよ。」

そう言って電話を切ると、

「ごめん、あさみ。友達が彼女に振られそうって泣きついて来て。ちょっと今から行かないと…。」

「いいよ!こっちは気にしないで、行って来て!」

友達想いな所も素敵。

「悪いな。じゃあえっと、俺の分…あっ」

「ごめん!今日お札入れたと思ったら入って無くて!悪いけど…」

「いいよ!今日は私だしておくから。」

雄太君は以外と天然。そこがまたカワイイ。

「ごめんな!今度絶対返すから!」

「いいよ〜?早く行ってあげて」

「ありがとう…」

そう言うとじっとこっちを見て、

「あさみはやっぱり優しいな。」

アーモンド型の目がまた細められた。

そしてお店を出て行った。

私の好きな顔。


しばらくして、自分の分を食べ終え、レジへ向かった。

予想以上にお腹いっぱいになったな。今日は晩御飯抜こうっと。

そして予想以上に今日の出費は多かったな。

期間限定メニューは要注意だな。

あさみはサイフを開く。

この前は私もあんまお金無くて、二人分出したらギリギリだったから、今日は入れておいて良かった。

雄太君に頼りにならないって思われたくないし。

「ありがとうございましたー」

店員の明るい声が響く。


…バイト増やさないとな。



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