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イケメン?! 私の光る君(源氏物語より愛を込めて)  作者: としろう


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13/18

恋の始まりは

「ねえ、そろそろ光君を紹介してよ」

セリとゆみがニヤニヤしながらあさみに詰め寄る。

「はあ?なんで光を?…唯の従兄弟だよ??」

光が現れてかれこれ一ヶ月が経とうとしていた。。

相変わらず光はあさみの家に居候していた。

光のヘンテコな言動を、話したくて仕方なくなったあさみは、セリ達に従兄弟の光として、一部編集して話していたのであった。


「だって…ねえ?」

二人は顔を見合わす。

「あさみの今度のお相手でしょ??」


「はあ!?」


「違うの?だって、いっつも光君の事を話すあさみ、楽しそうよ。」

「ねぇ〜?」

2人は顔を見合わせて言う。

「ぜっ…全然違うから!どうしてあんな白ブタを!二人ともあたしの趣味知ってるでしょ??」

あさみは興奮気味に否定した。

どうして2人がそんな勘違いをしたのか、全くわからない。

「まあ、そうなんだけどさぁ。あさみも趣味が変わったのかと」

「やっと紅の豚に出会ったのかなって♩実際は白かったようだけどね〜!」

「…出会って…ない!!」

あさみは強めに全否定した。

それでも2人は食い下がる。

「でもね、あさみ」

ーキーンコーンー

予鈴が鳴った。

「授業始まるからもう二人とも戻って!」

「は〜い」

不満気な二人を席に戻すように促す。


いったいなんなんだ。勘違いもいいところだ。

確かに、ここ最近、光の話はよくしていた。でも、単純にあいつがオカシイからであって、決して好きとか…そんなのでは無い。

確かに、雄太君の事を目を覚まさせてくれたのは光だけど…。

確かに、バイトで庇ってくれたりした時は嬉しかったけど…。

いやいや!恋愛対象では無いでしょ?!第一、平安貴族だぞ??

そこまで、考えてあさみはふと、重大な事実に気づいた。


そう、光はこの時代の人間じゃ無いんだ…。

突然現れたのだから、突然消える事だってあり得る…。


チクリッ。


いつの間にか、あさみの中で光は当たり前に居る存在になっていた。


「ただいま〜」

「あさみ殿、おかえりでおじゃる。」

ニコニコしながら、光が出迎える。これもいつもの風景。

いつもの…。

「どうかなさったか?元気が無い様でおじゃるが…」

なんと無く、いつもより元気が無いあさみを心配して光が尋ねる。

「ううん、なんでも無い。着替えてくるね」

あさみは力なく階段を登る。と、足を踏み外してしまった。

「キャツ!」

「あさみ殿!!」

ドスっ。

あさみは思いっきり光の上に乗っかった。

「〜っつ。」

「あさみ殿、大丈夫でおじゃるか?」

光があさみの顔を覗きこむ。

切れ長の目があさみを心配そうに見つめる。


ドキリっ。


あさみは思わず、光を押し退けた。


「だっ大丈夫だから!それより、光こそ大丈夫??重かったよね??」

急いで立ち上がる。目を合わせられ無い。

「麻呂は大丈夫でおじゃるが…あさみ殿やっぱり今日は変ぞ??」

そう言うと、光はあさみに近づき、あさみの前髪をかきあげると、自分の額をあさみの額に当てた。


「なっ…!」

言葉が出ない。

「ふむ…やっぱりちょっと熱っぽいでおじゃる。風邪でもひかれたのではないか?」


…!


「…あさみ殿??大丈夫でおじゃるか?」


「…おじゃるおじゃるうるさいのよ!!もう!私、疲れたから寝る!構わないで!!」


そう言うとあさみは勢い良く階段を駆け上がった。


ドキリっ。


最初は自分の鼓動を疑った。


…嘘でしょ?あんなの理想とかけ離れ過ぎてる…ゆみ達が変なこと言うから!!


だけど、今も続くこの心音は、階段を勢い良く駆け上がったからじゃないことに、あさみは気づいていた。


「あさみ殿?!いったいどうしたというのでおじゃるか??」

1人取り残された光は訳が分からなく、困惑していた。


「…嫌われたな。」


「!?」


一部始終を見ていた克己が光の肩をポンっと叩いて去っていった。








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