第3話 病弱けってーい
書きたい事が纏めれない・・・
私はこの日がきっかけで身の振り方を覚えた。
いつもはお母さんの作る朝ごはんの香りで目が覚めるが今日は違った。体の中に蟠る、熱い何か。それが原因で私の安眠は妨害された。
すぐ治まるかと思っていたそれはどんどん熱さを増していき私は泣き喚いた。
「おんぎゃああ、おうぎゃあ(お母さん!体が熱い!)」
「アル?お腹が空いたのかしら?」
私の泣き声でお母さんは私の元へと来てくれたけど、違う!お腹が空いたんじゃないよ!
「おんぎゃあああああ(熱い!助けて!)
私の悲鳴のような泣き声に流石にお母さんも変だと思ったのか抱き上げて顔を覗きこまれる。
「ライアン!ライアンちょっと来て!アルの様子が変なの!」
「ん?アルの?」
お母さんのお父さんを呼ぶ声に兄たちもも起きてきたのか、目をこすりながら一緒にお父さんと部屋へ入ってきた。
「・・・・先生を呼んでくる。」
私の様子を見てお父さんも異変を感じ取ってくれたのか先生を呼んでくれるらしい。兄たちは私の手をぎゅっと握ってくれる。少し熱さが逃げてくようで気持ち良かったがそれは一瞬で、すぐにまた熱さが膨れ上がった。
熱い何かが私の中をぐるぐる回っているみたいで気持ち悪い。気持ち悪過ぎて意識まで朦朧としてくる。
「げほ、げ・・・」
「アル!ユーリグ、タオルを持ってきて!」
あんまりにも気持ちが悪くなって思わず吐いてしまった。くそう、不覚だ。ユーリグがばたばたとタオルを取りに行ってくれるのを音で感じ取りありがとうと心の中で呟く。君はいいお兄ちゃんです。
「アル!アル!」
お母さん、そんな呼ばなくても聞こえる・・。でも熱すぎて泣く気力もなくなってきた。ちょっと目を閉じます。またすぐ起きるから心配しないで。
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「アル!アル!」
母上の悲痛な声に俺は急いでタオルを持って部屋へと戻る。部屋では、母上が必死になってアルを呼び掛けていて、状況が分かっていないソリスは泣いていた。
母上にタオルを差し出すとアルはさっきまで泣いていたのに今はぐったりとなって動かなくなっていた。・・・どうしよう、アルが死んじゃったら。そんな怖い予感を追い払う。
泣いてるソリスの頭をなで、大丈夫だ、お兄ちゃんなんだから泣くな、と言うと泣きやんだ。正直俺も泣きたい。
どたどたと家を走りまわる音が聞こえて来て、あ、父上が帰ってきたと思うと少し安心して涙が一粒零れた。ソリスに気付かれなくて良かった。
「メリア!サフィ先生を連れてきた!」
部屋に勢いよく入ってきた父上の後ろから青髪の長髪を後ろで括ったひょろりとしたサフィ先生が風のように入ってきた。サフィ先生は俺たちが風邪になったら一番に診せに行く信用できる先生。もうこれで安心だな、と思ったら胸がどくり、鳴った。サフィ先生が来たのに俺が感じてるこの不安はなんだ。
サフィ先生はぼそぼそと呪文を呟くと黄色い光を纏った右手を、母上の腕の中に居るアルに翳した。サフィ先生のこめかみから汗が伝うのが見えた。
「・・・これは、」
「アルは!アルは大丈夫なんですか!?」
サフィ先生の言葉を固唾をのんで待つ。
「アルティス君は、先天的な魔力過多症です。」
その言葉に空間が父上の魔力で軋んだのが分かった。
アルの病気が発覚です。