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第13話 邂逅

お久しぶりです。

「アルティスくーん、おーきーて。」


誰だ。


「僕う?神様ってゆうやつさ!」


ふざけるな。


「ふざけてなんかいない。だって君のことをなんだって知っているからね。」


どうゆうことだ?


「はてはて、どういうことでしょう?」


・・・もういい。お前に構っている暇なんかない。

俺はすごく眠いんだ。なんでもいいから寝かせてほしい。


「うーん、うーん、僕も寝かせてあげたいんだけどお、このまま眠ってしまっては世界はまた違った方向に進んでしまうから神様な僕としては寝かせるわけにはいかないんだなあ。」


うるさい。


「もー、そんなに怒らないで!あ!じゃあ、起きてくれたらきっとアルティスくんはフォルナルトくんとうまくいくように取り計らってあげよーう!なんたって神様だからね!」


・・・・そんなの無理だ。フォルナは優しいから俺に言わないだけで本当は俺は望まれていないことなんて知っている。生きていることすら望まれていない子供に好かれていたってフォルナが迷惑なだけだ。


「ねえ、アルティス。いつまでそんなことを思っているつもり?そろそろ僕もそんな面倒見きれない。」


え?


「だいたい、僕はどっちだっていいんだ。君が死のうが生きようが。だって神様だから。世界が違った方向に進もうが結局は何とでもできるんだよ。でもね、僕、君には優しくしている方だと思うんだ。君の夢の中にまで入ってあげてハッピーエンドへと向かわせてあげているのだからさ!でも、当の本人がこれじゃ僕だってやりきれないね。そんな嫌々なら別に無理する必要はないんだ。勝手に死んでくれ。優しくしてくれていたフォルナルトを無下に扱ったまま死ねよ。」


無下に扱ってなんかない!


「ははっ、どの口が言う。結局君は自分が一番可愛くてしょうがないんだろう。優しさをくれたフォルナルトを勝手に好きになっておきながら、結局は信じることすらできずに死を選ぼうとしていたんだろう。それの何が違うんだ?」


違う違う違う違う違う!!


「違わない!お前は何も信じてない!いや、自分で選択すらしていない!信じるべきか、いや、信じないべきか!それすらせずに真っ向から諦めているじゃないか!」


僕はどうせ愛されてない、ってね。





『アル、今日の朝ご飯はねー、』

『アールー、お仕事手伝ってー!』

『アルのことが僕も大好きだ。』



俺に向ける顔はいつだって笑顔で、俺もその顔が大好きで、ずっと笑っていてほしくて、俺なんかで煩わせたくなくてっ・・・。

こう思っていたのは結局は自分しか考えていなかったからなのか。フォルナのことをちゃんと考えていたのか?フォルナは言ってくれていた、俺のことが大好きだって。俺もフォルナが大好きだ。ずっとずっと一緒にいたいんだ!



「僕は全然それでいいと思うよおー、よし、じゃあそろそろ目覚めようか。いち、にの、さーんっ!」




その自称神様の軽やかな声に不思議と俺はお礼が言いたくなっていた。


「神様、ありがとう。行ってくるよ。」


「うん、行ってらっしゃあい!」



ずっと姿は見えなかったけどひらひらと手を振っている姿が想像できてクスリと笑うことができた。


だって俺はもう美子じゃないから。美子にとらわれないから。








「アルティス、君に不幸ばかり押し付けてしまってすまない。だけどそれは君が幸せを掴むための最短ルートなのさ。・・・フォルナルトくんがきっと君を助けてくれるはずだから。」








ありがとうございました。

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