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第2話 これが慣れってやつか

一ページをもっと長くしようと思います。


「可愛いわねえ」

「ほんとねえ、まるで天使のようだわ。」


 あれから1カ月。社会人だったころの羞恥心も薄れだいぶお世話されるのに慣れてきた。おむつとかおっぱいとか。ちなみにお母さんのおっぱいは前世の私よりおっきかったです。

 今、所謂ママ友たちがうちでお茶会を開いております。みなさん綺麗に着飾っていて10歳を超える子供がいるとは思えないほどナイスバディで美しいです。そんなママ友たちは私を見て可愛いだの、天使だの褒めちぎってくれるので悪い気はしないよね。まだ自分で自分の姿は確認していないけどきっと可愛いはず。・・・・男なんだけどね。


 そう、元美子、現アルティスは男なのです。前世では付いていなかったアレが股の間にひっついております。最初はうわあ、まじか・・なんて思ったもののあれだよね、慣れればどってことはない。そのうち女の子の事も好きになれるでしょと楽観視しております。


「母上、ただいま帰りました。」

「母上、ただいまー!」


 長男のユーリグと次男のソリスが帰って来ました。この一カ月で分かった事は彼ら二人は士官学校へ通っている事と、お父さん譲りの茶髪で明るいブルーの瞳、そんでもってイケメンな事。前世ではイケメンは勿論、男の人とは喋る事はなかった。必要な事以外で。なので自分の性別は慣れても未だに兄に慣れる事が出来ないという悲しい現実。恨めしいぜ、人見知りな自分。


「アルー、元気にしてたかー?」

「ソリス、アルに触るならちゃんと手を洗え。」


 兄たちは家に帰ってくるとすぐ私が居るベビーベッドへと足を運んでくれる。優しいとは思う。けどほっぺぐりぐりは痛いからやめて欲しいな、なんて。


 そんな子供たちを見て微笑んでいる大人たち。いや、助けろよ。まじ痛いよ。

 心の中ではこんな喋っていてもまだ言葉を喋る事が出来ない自分。てゆうか、喋れたとして何喋ればいいんだ!?母上?父上?兄上?今これ以上の悩みはないけど、結構重大な事だと私は思うわけ。何故なら前世の私はこんな暖かな家族に囲まれることはなかった。



 中学生のころに両親が死んで、あれよあれよという間に親戚の家に預けられることになった私はそこでも人見知りを発揮して優しくしてくれる叔母さんや伯父さんに自分から喋るということをしなかった。両親を亡くしてというのもあるけど基本的に自分からは喋れないし、喋りかけられても答えるのが遅いからよくつまらない女と陰口で言われたものだ。


 ま、今となっちゃ生まれ変わっちゃったしそんなことは関係ないけど優しく笑う新しい両親や私を構ってくれる兄達の役には立ちたいと思っているのが本音ですかね。



 

読んでくれてありがとうございました!

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