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第13話 強烈な狂気

今回は過激な暴力描写が続きますので、苦手な方は気を付けてください。

 時というのは無情なもの。人生の中で一回は時間が止まってほしいなあとか、時間が戻らないかなとか考えたことがあったはず。それでも時というのは皆に平等に流れていて、決してそれは誰かの力によって動くことはない絶対的な理。


 今、私は猛烈に時間が止まってくれないか願っている。一人、ベッドの中でミシェラが来ませんようにとただひたすらいるかどうかも分からない神様に祈りをささげ、そしてそれは絶対ないということに怯え、体が震える。


 へえ、人って恐怖でこんなに体が震えるんだー、なんてどこか自分を傍観することによってなんとか自分の精神を持ちこたえていた。



「・・・・開けなさい。」


 ドアの向こうから聞こえてくるミシェラの声。私の僅かである反抗心を使って鍵を閉めたのがミシェラにはお見通しみたいだった。


「・・・・開けなさいと言っている。」


 キッチンにいるであろうお母さんに聞こえないようにとミシェラも気を張っているのか声がいつもより低く、それが余計に私の恐怖心を煽った。


 毛布を体に巻きつけてそろりそろりと音をたてないようにドアへと向かう。鍵もなるべく音を立てず開けることに成功。その瞬間ちょっと私の気が緩んでいたのかミシェラが勢いよくドアを開けてきたことに飛び上がって驚いた。


「ミ、シェ・・・ラ・・・ッ。」


「お前のような存在に名前を呼ばれる筋合いはない、卑しい魔人が!」


 ミシェラの見たことのない剣幕に押されて腰が抜けた。いつもはもっと冷たく、淡々と悪口を言ってきたミシェラとは思えないその怒り方に目の前が滲む。恐怖のあまり自然と涙が出てきたんだ。


 私の顔を見てミシェラの顔はもっと歪んだ。


「何泣いて誤魔化そうとしているんだ!気持ち悪い!早く死ね!」


「ごめ、な、さっ」


 ミシェラにとりあえず謝ろうと思い言葉にした瞬間激しい衝撃が私を襲った。自覚したのはミシェラの荒い息とじんじんと痛む頬。ああ、私今殴られたんだな。今子供の体である私にとって大人の力は大きくて、平手で殴られたはずが、結構吹っ飛んで壁に肩を打ちつけた。肩に響いてくる鈍い痛みに呻いたらミシェラもここまでするつもりはなかったのか私に駆け寄ってきて倒れていた私を抱き起してくれた。


 ・・・・でも、私のそれは勘違い。


 


 ミシェラは笑ってた。楽しそうに虫を甚振る子供のように。


 ミシェラによって抱き起された私は体が固まっていた。口は自然と謝罪の言葉が出てきて、なんとかミシェラに許しを乞おうと自己防衛のためかこのあとどんなに殴られ続けても私の口は止まらなかった。


「はあっ、はあっ、はあ」


 ミシェラももういい年だ。きっと殴り疲れたんだろう。私はもう今が何時か、どんだけ殴られたかよく分かってなかった。でも指一本でも動かそうとすると体に走る激痛に床に倒れたまま動くのをやめた。


「なんでなんでなんでお前なんか生まれてきたんだ。生まれてこなければよかったんだ。・・・・大人になってその強大で凶悪な魔力で人を殺す前に・・・私がお前を殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺すっ!!!!!!!!!」


 私の首に巻きつくミシェラの手。私の家族を見るとき、穏やかな光を灯すその茶色い瞳には、今は狂気の光が私を仕留めようとギラギラと輝きを放っていた。自然と閉じていく瞼。息苦しい。息苦しい。






 また、私は死ぬのか。



 こうやって苦しい思いをしながらまた死ななくちゃいけないのか。



 やだ、やだよ・・・・死にたくない。まだこの世界には6年しかいないというのに。まだ、やりたいことある。魔法、せっかくだから使ってみたい。学校にもどんなのか通ってみたい。家族にもありがとうを伝えたい。


「ミ、シェラ、っ離し、てっ!」



 私は抵抗した。





最後が中途半端ですいません!


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