恋の始まりの物語…?
小説祭り純愛編参加作品一覧
作者:靉靆
作品:白への思い出(http://ncode.syosetu.com/n1608bl/)
作者:立花詩歌
作品:彼と彼女の有限時間(http://ncode.syosetu.com/n1556bl/)
作者:射川弓紀
作品:僕と私の片思い(http://ncode.syosetu.com/n1365bl/)
作者:なめこ(かかし)
作品:ちいさな花火(http://ncode.syosetu.com/n1285bl/)
作者:一葉楓
作品:わたしときみと、芝生のふかふか(http://ncode.syosetu.com/n0273bl/)
作者:失格人間
作品:僕と幼馴染(http://ncode.syosetu.com/n1374bl/)
作者:三河 悟
作品:天国の扉~とある少年の話~(http://ncode.syosetu.com/n1488bl/)
作品:天国の扉~とある少女の話~(http://ncode.syosetu.com/n1490bl/ )
作者:葉二
作品:ハンバーグに砂糖を入れてはいけません!(http://ncode.syosetu.com/n1534bl/)
作者:コンフェクト
作品:ぼくとむらかみさん(http://ncode.syosetu.com/n1571bl/)
作者:えいきゅうの変人
作品:魔王を勇者は救えるか(http://ncode.syosetu.com/n1580bl/)
作品:恋の始まりの物語…?(http://ncode.syosetu.com/n1579bl/)
作者:一旦停止
作品:神様って恋するの?(http://ncode.syosetu.com/n1581bl/)
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出会いは突然だった。
私は不良に絡まれていた。
そこは都会といえども人気の少ない細道。
こんな時間じゃあ私たち以外人っ子一人いやしないだろう。
そう悟り覚悟を決める。
だがそこに救世主は現れた。
口でいえどもなおやめようとしない不良。
とうとう逆ギレして彼に殴りかかってきた。
だがそれを容易くいなす彼。
カッコよかった。
救世主みたいだった。
不良を叩きのめしこちらを向く彼。
そして
大丈夫かい?
と声をかけてくれた彼。
その瞬間私は彼に見惚れてしまった。
立てる?
と手を差し伸べてくれた彼に
は、はい!
と声が上擦ってしまったのはしょうがないことだろう。
うん。そうに違いない。
そして名もしれぬ彼と別れた。
後で思えばここで勇気を出して連絡先貰っておけばよかったのだが、後の祭り。内気で奥手な私には無理な相談だった。
一期一会、っていう言葉は、こんな時のためにあるのかな…と少し寂寥感を覚えた肌寒いある日のことだった。
だが、奇跡は訪れた。
その日から私はしばらく、また会えないかな、なんて思っておんなじ道で帰っていた。
一日、彼はいなかった。
二日、彼はいなかった。
三日、彼はいなかった。
四日、彼はいなかった。
もう半ば諦めた。
今まで見かけたことのない人だったのだから。
でも一縷の望みをかけて、私はその道を歩み続けた。
もう何日、何週間経ったろうか。とうとう、彼に出会った。ちょっと、喉が渇いたので買い物に寄り道したコンビニに彼はいたのだ。
いや、正確に言うならば、よそ見していた私が、コンビニから出てくる彼にぶつかってしまったのだ。
あわてて謝った。
そしてそのあと彼だと気付いた。
彼もあの時の女性だと分かったらしく少し驚いた顔していた。
そんな彼に私は勇気を出して、いつかお礼をしたいので連絡先教えてくれるように頼んだのだ。
彼は快く承諾してくれた。
さて、どうお礼をしようか…
お礼に、食事に誘うことにした。
ここら辺では結構評判の良いレストランだ。
彼に連絡をして、伝えることにする。
もちろんレストランに行くなんて伝えない。
近くの公園で待ち合わせすることにしよう。
改めてしげしげと眺めた連絡先は、意外にも近所だった。
彼を誘って行ったレストランは美味しかった。
そして彼は、いろいろなことを話してくれた。
自分が独身であること、幼い頃から武道やっていたこと、本当は結構気弱なこと等々…
そして、お互いの連絡先を改めて交換した。
彼は、あれ、近所だ。と笑っていた。
そしてそんな楽しかった食事会も終わりを迎える。
けれど彼は、そんなことできないよ。と言って、私が支払いを払うことを拒んだ。
ついでだ。とか言って私の分まで払って誘って消えてしまったのだ。
けれど、いなくなる直前、少し顔を赤らめてありがとう。といったことを私を覚えている。
そして、彼は、大きな爆弾も残していった…
彼は言ったのだ。 「また会おうね。 」と。
ワインが効いていたのかもしれない。彼の顔は上気したかのように真っ赤だったからだ。
私も応えた。 「 ええ。また。 」
そのときの、私の顔も、きっと紅潮していたことだと思う。