第二話
今の時刻は十八時。そもそも定時を超えている。
本日も残業の覚悟を決め、目覚まし代わりのカフェイン摂取と運動がてらにビルの一階に入っているコンビニへ来たところ、とある雑誌が目に入った。
(堀園ホールディングス、新規事業を追加。M&A検討か?ね…)
堀園ホールディングスは、国内トップの持株会社である。
メインはビルやマンションの不動産業だが、多岐にわたる業務を買収し、業績をどんどん成長させている。
(堀園ねぇ…私よりも忙しそうなやつがこの世に存在するのかと思うと、精神が統一されるわ…)
私がなぜこの名前に目が引かれるのかというと、堀園ホールディングスを経営する堀園一族の長男と因縁があるからである。
(ま、あっちは私のこと覚えてないと思うけどね)
───堀園亮。
小学校三年生のときに初めてクラスが同じになり、そこから何故か高校卒業まで、学校もクラスもずっと同じという腐れ縁の男だ。
勉強も運動もでき、加えて顔もイケメンというマイナスなしの完璧野郎。
そんなやつが、何が気に食わなかったのかはわからないが、やたらと私に絡んでくることが多く、本当にいい思い出がない。
大学までかぶったら最悪だと思い、ギリギリまで志望校をはぐらかし、どうにか別れた大学以降は無縁の関係ではあるが。
なんとなく嫌な記憶を思い出したな〜と、疲れを取る予定が更に疲れた気持ちになりながら業務に戻った。




