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詩❲情景❳

くちなしの色を帯びていく

作者: 日浦海里

明るく灰みがかった黄色い砂の上に

点描のように染み出してきてる

枯れた葉っぱが少し水を含んだような茶色


甘く味付けするように

白と銀に輝く粉砂糖のような氷の粒


ぴりっと張り詰めた空気は

目に見えないだけで

綿のような塊になっているのか


歩くたびに指先に触れると

痛みを伴いながら裂けていく


陽射しに照らされて溶けた銀色は

深い深い碧をたたえて

小さく寄り集まっている


灰の中に

薄い黄色と白を混ぜ合わせたような木の枝

その上に止まっていた雀たちが

粉砂糖の氷上に降りて

鳴き声を上げながら

地面をつついている


凍りついた地面の中では

今も確かに命が息づいている


空も、地表も

音もなかった静かな世界は

ほんのりと温かみのある

くちなしの色を帯びていく


この作品でいうくちなしの色とは

梔子くちなし色を指します。

くちなしの実で染めた色のことで

少し赤みのある黄色をしています。


くちなしの実がなるのは10-11月頃で、

染め物に利用されるのは冬に入ってからかな、

と思って使ってみました。


くちなし自体は

6月の季語ですので紛らわしくてすみません。

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― 新着の感想 ―
[一言]  なんとなく秋のイメージの色なので、あまり温かいイメージはなかったのですが、取り巻く色によって温もりを感じる。  不思議な感覚でした。
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