くちなしの色を帯びていく
掲載日:2023/01/30
明るく灰みがかった黄色い砂の上に
点描のように染み出してきてる
枯れた葉っぱが少し水を含んだような茶色
甘く味付けするように
白と銀に輝く粉砂糖のような氷の粒
ぴりっと張り詰めた空気は
目に見えないだけで
綿のような塊になっているのか
歩くたびに指先に触れると
痛みを伴いながら裂けていく
陽射しに照らされて溶けた銀色は
深い深い碧をたたえて
小さく寄り集まっている
灰の中に
薄い黄色と白を混ぜ合わせたような木の枝
その上に止まっていた雀たちが
粉砂糖の氷上に降りて
鳴き声を上げながら
地面をつついている
凍りついた地面の中では
今も確かに命が息づいている
空も、地表も
音もなかった静かな世界は
ほんのりと温かみのある
くちなしの色を帯びていく
この作品でいうくちなしの色とは
梔子色を指します。
くちなしの実で染めた色のことで
少し赤みのある黄色をしています。
くちなしの実がなるのは10-11月頃で、
染め物に利用されるのは冬に入ってからかな、
と思って使ってみました。
くちなし自体は
6月の季語ですので紛らわしくてすみません。




