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チュートリアル13

 マスター・イーは再びジャングルの奥へと進む。岩で囲まれた巣らしきところには三匹の狼が待ち構えていた。まだ向こうから攻撃を仕掛けてこず、こちらの様子をうかがっているようだ。三匹のうち二匹は小柄で一匹は大きい。


「速人君、今度はワンちゃんの親子連れだよ。可哀そうだから攻撃するのやめてあげて」


「だから、これはモンスターだって。倒さなきゃいけないの」


「えー、可愛そうじゃん」


 速人の中で、真紀が『不思議ちゃん』ではないかという疑念は確信に変わった。あの音ゲーの天才的プレイとのギャップ。まさに天才と何とかは紙一重だと実感し、こういう子だから優しく接してあげようと思った。しかし、ゲームだけは譲れない。速人はスキル『アルファストライク』を使って、超高速の攻撃を仕掛けた。狼たちはすぐに三匹がかりで反撃をしてくる。ただ、意外に受けたダメージは少ない。六羽で攻撃してきた鳥の方がダメージが大きかった。

 とりあえず小柄な狼を二匹倒し、一旦退避。詰め替えポーションで体力を回復したら再び攻撃。一連の動作を手際よく、無駄なく操作した。狼を全滅させるとレベルが上がったので、『W』のスキルを解除した。


「あーあ、可愛そうに」


「しょうがないんだよ。さあ、次に行くよ」


「また親子連れを襲うの? そんな事ばっかりやっていると、そのうち『親の(かたき)』って言われるよ」


「ハ、ハ、ハ。ゲームだからそんな事は起きないけど、『親の仇』って気持ちは分からないではないな」


 何やら意味ありげな言い方だったが、真紀は受け流した。

 マスター・イーはジャングルを進み、次の獲物を見つけた。今度のモンスターは岩でできたカブトムシのような生き物三匹だった。


「今度は石でできた虫? 虫は嫌い。やっつけていいよ」


「ま、許可を受けなくても攻撃しますけどね」


 速人はすぐにスキル『アルファストライク』を使い、攻撃を仕掛けた。小さいサイズの虫1匹を集中的に攻撃すると割と早くライフをゼロにでき、それと同時に爆発した。爆発で倒したと思いきや、一回り小さな虫2匹に分裂していた。


「キモーイ。倒したと思ったら、二匹に増えたじゃない」


「この虫はライフがゼロになると二匹に分裂して、一番小さなサイズの虫にならないと完全には倒せないんだ」


 マスター・イーは分裂した虫を攻撃をすると、今度は完全に消滅しゴールドと経験値を手に入れた。虫自体はそれほど強くないが、マスター・イーのライフが徐々に減っていく。

 四分の一ぐらいまでライフが減ったところで、真紀が言った。


「ライフがかなり減ったよ。ポーションがもう無いから、そろそろ泉に戻った方がいいんじゃない?」


「戻らなくても大丈夫。見ててごらん」


 速人は『W』のキーを押した。するとマスター・イーが座禅を組んで空中に浮かび、オーラの光に包まれた。


「これは『明鏡止水(めいきょうしすい)』と言うスキルで、体力を回復できるんだ。さらに、この間は敵からの攻撃を受けてもダメージを軽減できるよ」


 体力が回復した後、虫への攻撃を何度も繰り返し、全て倒すことができた。


「やっと体も温まってきた。これからジャグラーとしての本領を発揮するね」


 速人はそう言い、マスター・イーをミッドレーンに向け走らせた。

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