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真紀の才能

 放課後のPC実習室。

 授業終了のチャイムが鳴るとすぐに速人は駆け込んだ。電算部顧問の佐藤先生にはeスポーツ部勧誘のためにPCを使う許可を得ている。速人が一番乗りで、まだ電算部部員は誰も来ていなかった。

 まずは二人にLoLの楽しさを知ってもらわないと始まらない。普段、電算部員があまり使わない実習室の奥の三台を陣取り、それぞれのPCにLoLのインストールを始めた。インストールにはかなり時間がかかるので、何とか二人が来る前に完了させておきたかった。

 ところが、五分ほど経ったところで、翔と真紀が続けて入室してきた為、まだ準備は終わっていなかった。


「二人共、こっちこっち」


 速人は二人に声を掛け呼び寄せた。


「よっ、光速」

「光田君、待たせちゃった?」


「全然、逆にまだインストール中だからもう少し待っててくれる?」


 速人は二人に申し訳なさそうな顔をした。


「あぁ、ええよ。のんびり待っとるで。ところで原田ちゃん」


 翔は真紀の方を見て問いかける。


「真紀でいいですよ」


「じゃあ、真紀ちゃん。LoLはやったことあるん?」


「LoLって言うのは知らないなぁ。私が好きなのは『ヘイ・デイ』とか『LINE ブラウン』といった牧場系のゲーム。やっていると癒されるから」


 そう言うと真紀は、スマホで自分がやっている牧場ゲーム画面を開いた。とてつもなく巨大な農場に整然と野菜、家畜、建物が並んでいる。真紀は誇らしげに二人に見せた。


『あぁ、そっち系のゲームか……。真紀さんにはLoLはちょっと難しいかも』と速人は少し諦めを感じてしまった。


「それから、音ゲーもうまいんだよ」


「マジか。ちょっとやって見せてちょ」


 翔が両手を合わせて真紀にお願いした。


「わかった。やってみるね」


 そう言うと真紀はスマホの音ゲーを起動し、最高難易度に設定した。


「えっ?! 最高難易度なん?」


 翔は少し驚いた顔をして聞いた。


「うん、そうだよ。何で?」


「何でって、それ超難しいがね」


「大丈夫。見てて」


 ゲームがスタートすると真紀の顔つきが変わった。

 このゲームは画面上部から音楽に合わせて降ってくる音符(ノーツ)をタイミング良く押していくというものだ。

 真紀は常人には目で追うことも難しいほどの高速かつ大量のノーツを完璧にとらえていた。そのスピードと正確さは鬼気迫るものがあり、速人も翔も息を止めるように見つめていた。


 ゲームが終了した。


「やったぁ、パーフェクト!」


 真紀は満面の笑顔で言った。


 速人も翔もすぐには言葉が出てこなかった。

 二人ともゲーマーなので、音ゲーは勿論やったことがあるし、友人で上手なヤツもいる。しかし、真紀のプレイは次元が違った。恐らく日本トップレベルのプレイだったのではないか。


「真紀ちゃん、でら凄いがね。女子じゃ最高難易度なんて無理やと思っとったんやけど、単なる思い込みやったわ」


「真紀さん、本当に上手くて驚いたよ。今までこんなにうまいプレイ見たことないよ」


 二人が褒めると、ポリポリ頭を掻きながら「えへへ」と照れ笑いをした。


この作品は https://www.alphapolis.co.jp/novel/361835724/978399492 においてイラスト付きで先行公開しています。

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