プロローグ
あと一撃で倒せる、翔がそう思ったとき、敵は魔法呪文『ゴースト』を使って脱出を図った。これは移動速度が速くなると共に障害物をすり抜けることができる魔法だ。
「逃がすかぁ!」
翔は即座に反応し、特殊技能『束縛』を使い、鎖の付いた巨大な斧を投げつけた。斧に引っかかった敵をたぐり寄せ、トドメの一撃を食らわさんとしたまさにその時、茂みから別の敵が現れた。
「しまった。罠か」
囮を使った敵の罠に見事にひっかっかてしまった。敵は茂みから現れるとすぐにスキルを使い、強烈な攻撃を繰り出した。
ドグオォォォーン
敵の攻撃が直撃した。この攻撃は単に物理的な打撃だけでなく、『低速』の魔法も含まれていた。
スローモーションの動きとなり、自分の意識とはかけ離れた速度でしか体を動かせない。そうしているうちに敵が次のスキルを放そうとしていた。さらに、斧で引き寄せた敵まで、攻撃をしてくる素振りを見せた。
「クソ! ここまでか……」
半ばあきらめたところ、ジャングルから人影が飛び出し、叫んだ。
「アルファストライク!」
その人影は、目にも止まらない速度で、二人の敵に対し連続攻撃を加えた。スキル『アルファストライク』の効果だ。もともと手負いだった敵はこれにより絶命した。
「翔君、待たせたね」
「危ねぇ、もう少しでやられるとこだった」
2対1。一気に形勢逆転となった。敵は一瞬、反撃か逃走かを考え立ち止まったが、逃走を選び走り出した。
「追うか?」
翔が速人に判断を仰いだ。
「君のライフはかなり減ってるから深追いはやめよう。今はこのまま、このレーンを守ってくれる?」
「分かった。任せとけ」
「速人くん、助けて。もう、守り切れない……」
ヘッドホンから真紀の悲痛な声が聞こえた。
「真紀さん、今行く。もう少し耐えて」
速人は、サモナースペル『瞬間移動』を使った。全身が光に包まれると姿は消え、真紀のもとへ向かった……。
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この物語は、『リーグ・オブ・レジェンド』で出会った仲間が、全国大会出場目指している中、それぞれの運命と向き合い立ち向かっている姿を記したものである。
この作品は https://www.alphapolis.co.jp/novel/361835724/978399492 においてイラスト付きで先行公開しています。






