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最強の男の娘の異世界戦記~異世界にて近代軍隊創りませう~  作者: 永遠の42歳時雨上等兵
第1章 お貴族様に目にも見せてやろう
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金策 強力な協力者

 ここから文量が増えていきます。

 そして主人公のテンションが唐突におかしくなります。(;・ω・)

 オバサンに手を引かれ、応接室に入る。中にはテーブルを挟んで2つの椅子が置かれていた。右側に座るのはエミリア先生。左側に座っていたのは妙齢の女性だった。


 年頃は見たところ20代。スタイルはそれなりによく、髪は腰まである長髪で、髪色は烏の濡れ羽色と言う言葉がぴったりな艶やかな黒。

 簡単に言えば日本風な美人である。

 そんな彼女は流暢な日本語(・・・)で喋りかけてきた。


 「久しぶりじゃのう、4年ぶりか?ここまで来るのにかなり手間取ったのじゃよ?。無論、褒めてくれてもいいんじゃよ?」


 俺はエミリア先生を横目で少し見た後、同じく日本語で喋り出す。


 「てめぇ、こんな形で来るなよ。話がややこしくなるだろ?」


 「麗しの嫁と4年振りの再会なのになんと言う言いぐさじゃ」


 「昔嫁じゃなくてもいいって言ってついてきたのは誰だ?」


 「その後にしっかり指輪を贈ってくれたのは誰じゃったかのう?」


 「フ、フフフ、フハハハハハハハッ」


 「ククク、クハハ、クハハハハハハッ」


 突然異国の言葉を話、笑い出す2人。そんな2人をエミリアは困惑した表情で見ていた。


 「あの、すいません、小雪さん。状況が飲み込めないのですが」


 「ハハッ。はー。ふう。すいませんね、つい」


 「いえ、それで小雪さんはリタ君とはどう言う関係なんですか?」


 「あー。エミリア先生、それは今は話せないと言うことにしてくれませんか?」


 「リタ君?」


 「今はまだ話せません。しかし、もう少し俺が成長してから説明します。それまで待ってほしいんです」


 エミリアは少し考える素振りを見せると、机の上のコップに手を伸ばした。そして、中身を一気に飲み干す。


 「…わかりました。しかし、成長したら、説明してくださいよ」


 「いやに物分かりがいいですね。エミリアさん、なにか裏があるんじゃないですか?」


 「…この孤児院に関係のない小雪さんに話すのは憚られるのですが、いまちょっとした問題が起きていまして」


 「ああ、借金のことですね」


 俺のこの言葉に目を見開くエミリア先生。


 「リタ君!それをどこで?」


 「この子の事です。おおかた何処かに隠れて盗聴でもしてたのでしょう」


 「…私も鈍りましたね…」


 「エミリアさん?」


 「いえ、大丈夫です。それで、リタ君はどこまで知ってるんですか?」


 「借金が総額大金貨10で7日以内に小金貨3枚を払わなければいけないってくらいは」


 「…ほとんどすべてじゃないですか…。はあ」


 「大金貨10枚…。さらに7日以内に小金貨3枚ですか…」


 「小雪、なにか金策あるか?」


 「…小金貨3枚なら5日で用意できるかもしれんの」


 小雪のその言葉にエミリア先生が即座に反応した。


 「それは本当ですか!?」


 「ええ、とりあえずリタに説明してからでいいですか」


 「はい!どうぞ!」


 「ではリタよ、説明するぞ。まずこの街の周辺の地形はわかるかの?」


 「知らぬ!」


 「…なんの躊躇もなく断言したのう。…まあよい、そこから説明するかの」


 そして地理の勉強と金策の会議が始まった。


 まずは俺の住んでいる街、バナードの解説からだ。街の名前も初めて知ったが。

 バナードは大陸の北西方向にある中規模の国家、ヴァーストル王国の中でも西に位置するアルグスタ男爵領にある港町だ。

 アルグスタ男爵領は代々アルグスタ男爵家が治める領地で現在の当主から数えると13代目に当たる。現在の当主はかなり傲慢でプライドが高いく、欲しいものはどんな手を使っても手に入れようとする性格のようだ。

 話が少しずれたな。

 話をバナードに戻すと、この街から沖へ7㎞ほど進んだところに佐渡島程の島が3島集まる島嶼があるらしい。

 そこは無人島らしく、人の手が入っていない事からかなりの資源があると思われているらしい。そう言う島はたいがい直ぐに開拓されそうなものだが…。


 「その島嶼の一番街側の島に、多数の飛竜が住み着いてるらしいのじゃ」


 小雪がそう締める。

 話が見えてきた。


 「つまり、お前はその飛竜の鱗や肉、成体を売り払って金を作ると、そう言うことか?」


 「その通りじゃ」


 この世界の飛竜とは亜竜の中でも最弱で一番小さく、一番飼育が容易で、その為、一番軍事利用がなされている。飼育法も確立してはいるのだが、飼育ができるのは国家レベルか、大貴族、もしくはかなりの規模の傭兵団に限る。

 ただし、この世界には人が用いる航空戦力は飛竜しかなく、竜騎兵隊がある国家は作戦、戦略、戦術面においてかなりのアドバンテージを得ることになる。

 その為、成体は1体あたり大体小金貨1枚に当たる。(そこまで高くないのは完全養殖が可能な為)簡単に言えば100体売れば借金返済になるわけだが…。


 「一気に100体も売れば値崩れが起きるな確実に」


 「それに飼い慣らすのにそれ相応の時間がかかるからのお、5日で1体、あとは防具用に鱗や食肉じゃな」


 「7日後までの分はそれでいいとして、問題はその後だな」


 飛竜の話を終え、別の金策の話を始めようとしていると、唐突にエミリア先生が話に入ってきた。


 「あの。小雪さんもリタ君も簡単に飛竜って言ってますけど、亜竜の中で最弱とは言え、いちよう竜なんですよ?そんな簡単に殺せたり、捕獲できたりしないんじゃ…。それにリタ君はまだ4歳なわけで…」


 エミリア先生の言葉に、俺と小雪は顔を見合わせる。確かに普通ならその通りだ。分かりやすく言うなら弓矢で複葉機の爆撃機とタイマン張る程の暴挙だ。

 しかし、俺と小雪はお互いに顔を見合わせるとどちらからともなくニヤリと笑う。


 複葉機なら対空ミサイルを持ち出さなくても高角砲や高射機関砲で事足りる。

 しかし、こちらには地対空迎撃ミサイル並の決戦兵器がいる。


 「大丈夫ですよ、エミリア先生。今は詳しく話せませんが小雪なら、飛竜程度の敵は軽くぶちのめせますよ」


 俺の自信に満ちた返答に唖然とするエミリア先生。こんな事を言っても普通は単なるホラ吹きだ。だが、今はそれに賭けるしか、俺の知る限り、エミリア先生には方法が残されていない。


 「…わかりました。しかし、行くからには私もついていきます。あと、リタ君はお留守番です」


 「まあ、確かに今の僕は足手まといでしかないでしょう。しかし、ここはどうするんですか?」


 「デビットさんに留守を任せます」


 「デビットさん?」


 「たまに武術を教えに来てくれるお兄さんですよ」


 ああ、と思い出す2メートル超えの強面の人で、子供好きなのに子供に泣かれる不憫な人だった気がする。


 「では、明日の早朝、6時でよろしいですか?」


 「ええ、その時間で大丈夫です」


 エミリア先生が予定を決め、小雪はこれに同意した。


 「ところで、今日泊まるところは決まっているんですか?」


 「いえ、これから探そうかと」


 「なら、ここに泊まっていってください。部屋も空いてますし」


 「そうですか…。では、お言葉に甘えて」


 こうして、7日後の借金前金返済への目処がついた。これから忙しくなるぞ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 細々とした打ち合わせを終え、応接室を出る。その際、俺の事は他の皆には内緒にしてほしいと頼んだ。了承してくれてよかった。


 応接室を出ると、壁際にミアが座っていた。


 「…まさか、ずっとここに居たの?」


 頷くミア。立ち上がると、俺に抱きつき、ポツリポツリと話始めた。


 「…家族が、迎えに来たの?」


 「…いや、違うよ」


 突然の事に少し驚くが、直ぐに冷静を取り戻す。


 「どうか、したの?」


 「…わからない、でも、なんだか…」


 不意に、小刻みに震え出す。…泣いているようだ。


 「…なんだか、怖くなって、リタ君が居なくなるのを想像したら、怖く、なって」


 こんな時でも冷静に「この子、本当早熟だなー」とか考える、自分の脳に腹が立つ。

 どんな理由かは知らないが、孤児院に拾われ、育てられてきた女の子。

 何時からなのか、何故慕っているのかはわからない。しかし、ずっと慕っていた人が突然居なくなるかもしれないと思う心細さは、わかる。経験がある。

 俺はミアをしっかりと抱きしめると、頭を撫でながら言う。


 「大丈夫、突然、居なくなったりはしないよ。ずっとは無理かも知れないけど、ミアが一緒に居たいと思う時までは、一緒に居るよ」


 静かに、4歳児にしては本当に静かに泣いていた。

 俺は、ミアが泣き止むまで頭を撫で続けた。

 このような駄文を続けて読んでいただきありがとうございますm(__)m

 つきましてはレビューでも押していただけると狂喜乱舞いたします(;・ω・)

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