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最強の男の娘の異世界戦記~異世界にて近代軍隊創りませう~  作者: 永遠の42歳時雨上等兵
第1章 お貴族様に目にも見せてやろう
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バトルオブエルフ!

 私の名はナターシャ。シュバルツの谷のダークエルフ、ニコラエフ族の族長をやっている。


 ある日のことだ。シュバルツの谷に1人の女が迷い混んだ。

 我々は熱烈に歓迎した訳だが…。


 「まあ、今日は機嫌がよいからのう。命は勘弁してやろう」


 完敗だった。

 戦士総出で相手をしたのにもかかわらずだ。

 たった1人の女。艶のある長い黒髪に白い肌。

 妙齢の女は戦士達を薙払う。

 私は…。



 その女に惚れた。

 村の者が止めるのを押し退けおねぇ様の後を追った。

 微かな痕跡をたどり、何とか追い付いた。聞けばバナードと言う街に用があるらしい。

 私は頼んだ、貴女と一緒に居たい。だから連れていってくれと。

 おねぇ様はついて行くことを許可してくれた。


 しばらくは一緒に行動した。

 しかし、バナードの1つ前の街で、おねぇ様は消えた。

 場所は判っている。だから追い付くのは簡単だった。


 追い付くいた私の目に入ったのは愛しのおねぇ様と…。

 人族のガキだった。

 そのガキはおねぇ様と親しそうに話していた。

 そこで、はたと気づく。

 おねぇ様の、あのガキを見る目。

 あれは、愛しの者を見る目。


 …私も女だ。それくらいは簡単にわかった。

 しかし、圧倒的強さと美貌を持つおねぇ様に、ただの人族のガキがまとわりつくのが気に入らない。


 そんなことを考えているとおねぇ様に自己紹介をするよう促された。軽く自己紹介をした後、ガキがおねぇ様に近づくように手招きした。

 おねぇ様の後ろを少し背の高い女とガキと同じ位の年齢の幼女がついていく。

 4人が話終わると、おねぇ様がガキと勝負してほしい。ガキが勝ったらガキを認めてやってほしいと言った。

 私は内心喜んだ。

 おねぇ様にまとわりつく、身の程知らずのガキに世の中の厳しさを教える事が出来る。

 ガキをなぶり、私に恐怖を覚えた頃におねぇ様に近づくなと言う事が出来る。

 そう。

 そのはずだった。


 「どうした?来ないのか?」


 私は、動けなかった。

 ガキは動いてはいなかった。ただ細身の曲刀を鞘ごと脇に構え、手は柄に添えているだけ。

 私の体を縛っている物、それは…。


 ガキから発せられる殺気だ。

 重く、鋭い、刺すように冷たい殺気。

 たった4歳の人族ごときに出せる殺気ではない。

 ”あれ“はなんだ?


 化け物、そう形容するしかなかった。


 「リタよ。それじゃあ相手が戦えぬ。手加減しているとは言ってもそれじゃあ相手が動けぬぞ」


 「それもそうか」


 途端に、場を支配していた殺気が霧散する。


 「まったく。少し考えればわかることじゃろう」


 「いやー。タイマンなんぞ久々だからな。つい興奮しちゃって」


 額に流れる脂汗を拭い、化け物の見る。

 おねぇ様と談笑する化け物。勝負の最中だと言うのに、相手である私を見てはいなかった。


 「“氷よ、我の盾となり矛となれ”“氷柱”!」


 無意識のうちに、詠唱し、術式を展開。氷の柱が5つ現れ、化け物に殺到する。

 頭は諦めているのに、体はまだ諦めていなかったらしい。

 つい、笑みが溢れる。

 死角からの一撃、掠り傷程度は浴びせられるか?


 「談笑中に攻撃とは無粋じゃありません?」


 後ろから、声が聞こえた。

 反射的に振り返る。

 しかし。


 「よっと」


 「かはっ!」


 気がつけば、地面に背中から叩きつけられていた。

 肺から空気が抜け、息が詰まる。


 「フフッ」


 化け物は馬乗りになると、小さく笑った。


 「さて。どうしようか」


 軽く唇を舐め、こちらを見下ろす。


 「やっぱり。“あれ”がいいかな?」


 化け物は悪戯を思い付いた子供のような笑みを浮かべると、私の服を捲り始めた。


 「なっ、なにを」


 「あれだけ好き放題言ったんだ。覚悟は出来てるよねー?」


 「この下衆!」


 「その言葉、言われ過ぎて飽きたんだよなぁ」


 嫌悪感で胸が苦しくなる。

 おねぇ様、私は…。


 「ほれ」


 「ふえっ」


 「ほれほれ」


 「あっちょっ、やめ、ふふ、ふふふっ。ちょっと、や、やめ、ふ、ふふ、ふはっ、ふふふっ、ふはははははっ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 30分後。


 「ハァハァハァハァ」


 「はぁ。やり過ぎじゃよ」


 「すまんすまん」


 目の前に1人のエルフが横たわっている。

 口は半開き。涎を垂らし、目のハイライトは消えていた。


 「悪い癖じゃぞ?それは」


 「おーい。大丈夫か?お嬢さん?」


 ナターシャから離れ、壁にもたれ掛かる。

 ベルントがナターシャを介抱しているのを見ながら小雪としぐに話しかける。


 「どう思う?」


 「反応速度は申し分ないのじゃ。魔法の早さ、威力も申し分ない」


 「魔法か…。正直そっちは専門外だからな、どうなんだ?」


 「ワシは無詠唱じゃが初級とは言えあの短い詠唱であの数と大きさは中々の物じゃぞ?」


 「ふーん」


 「魔法は詠唱が長いほど威力がますんや。姉御や一部の連中は別なんやけどな。人によってはあれの3倍の詠唱が必要な事もあるんやで」


 「と言うことは、中々使える人材ってことか…」


 「ダークエルフは代々裏稼業をやっとるからなぁ。その辺も考慮してその評価は妥当と思うで?」


 「それにあやつはダークエルフの氏族の族長じゃ。利用価値はあるのう」


 「んじゃ小雪。懐柔してこっち側に引き込むとかしといて。有能な人材は貴重だ」


 「了解じゃ」


 「しぐは現状待機。しばらくは一緒に居ろ」


 「了ー解」


 「まずは明日だ。そんで明日お貴族様に金を叩きつけてからが勝負。返済の日時までに金をかき集めるぞ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 翌日


 早朝より無駄に装飾に凝った馬車が乗り付けてきた。

 中から出てきたのは例のお貴族様、やたらとニヤニヤしながらエミリア先生を見つけると少し速足で先生に近づく。


 「私あんな感じの貴族嫌いなんですよね」


 「右に同じじゃ」


 「俺も嫌いやな」


 「激同(はげどう)


 「…リタ君、激同ってなに?」


 「激しく同意って意味」


 「…なるほど」


 現在俺たちは孤児院の屋根に登りお貴族様を観察中。

 子供が2人混じっているとは言え5人も乗って大丈夫か?と思ったが中々頑丈な作りをしてるらしい。軋みひとつしなかった。


 しばらく屋根の上で雑談していると、苦々しい表情をしたお貴族様が出てきた。


 「ありゃ払えるとは思ってなかった顔だな」


 「そのようじゃのう」


 「どおしますぅ?おねぇ様ぁ、事故に見せかけて殺っちゃいます?」


 「おー。おー。血気盛んなことで」


 「まっとりあえず」


 ミアを抱えながら屋根から飛び降りる。


 「エミリア先生に話を聞いてから対策を考えるか」


 少し遅れて、ほぼ同時に3人が降りてくる。


 「了解じゃ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 例の如く応接室に集合し、会議を開く。

 司会進行は小雪だ。


 「さて、エミリア先生。残り大金貨9枚と小金貨7枚を返済しなきゃならん訳ですが…。期限は何日ですか?」


 「えぇっと。あと半年です」


 「半年で大金貨9枚と小金貨7枚…」


 金額の量に驚くナターシャ。


 「そう言やなんでそんな借金背負ったんです?先生、借金とかしなさそうなのに」


 「えぇっと…。前の職場の同僚がいつの間にか私を連帯保証人にしたみたいで…」


 「なるほどな…」


 傍迷惑なことだ。そいつのせいで現在俺たちが苦しむはめになるとはな。見掛けたら嫌がらせしとっか。


 「さて、では本題ですが半年で大金貨約10枚。この難題を解決する案を考えていただきたいのです」


 小雪が場をまとめるように言う。

 しかし、やはり急に言われても思い付くわけがない。みんな頭を捻って考えている。


 「冒険者でもやって一攫千金狙うか?出来れば恒久的に金を稼ぎたいが」


 「それもいい手ではあるんじゃがのう」


 「そう言やゴブリン達もいるし商会でもやるか」


 「商会、ですか…」


 商会と言う言葉に難色を示すエミリア先生。…あっ、ここは中世に酷似してんだった。


 「小規模ならいいのですが…。大金貨を稼げるような大きな商会となると面倒ごとも多くなると思います。それにそこまで大きな商会になるには貴族の後ろ楯が必要ですし…」


 「貴族、ねぇ」


 ちらっと小雪の方を見る。


 「いくらワシでも貴族の知り合いは居らぬぞ。声は何度か掛けられたが全て蹴ってきたからのう。しぐはどうじゃ?」


 「あー。知り合いに居た気がするんやけど…。連絡取れるかどうかわからんで?」


 「どれくらいかかる?」


 「往復一月(ひとつき)ってところやな」


 「んじゃ連絡取ってみてくれ。その一月の間に準備するから後ろ楯がもらえるかどうか聞いといてくれ」


 「了ー解」


 「それから小雪にしぐ、他に使える人材に心当たりないか?」


 「ワシは数名のドワーフと人族の冒険者くらいじゃ。あとは心当たりはないのう」


 「俺は何人かの冒険者と軍団(アルメーコーア)くらいや。あとは思い出せばあるかも知れんが覚えとらんわ」


 「了解。とりあえずその辺にも声掛けといてくれ。それから小雪、後で軍団について教えてー」


 「だからワシは検索エンジンじゃないのじゃぞ?まあ、よいが」


 「んじゃとりあえず1ヶ月後に開店できるように準備。何をやるかは島の方で決めるか」


 「それでは?」


 「移動準備、島に行くぞ。エミリア先生はどうします?」

 毎度の事ながらこのような駄文を読んでいただきありがとうございます!m(__)m

 話が全然進まないやないけ!どないなっとんねん!とか言わないでいただければありがたいです。中々思った通りにならないものですね…。

 さて、毎度お馴染みおまけです。あと少しお付き合いくださいまし。(;・ω・)


 おまけ


 栗岡「大佐ぁ、腕はどんなだ?」


 榊原(姉)「こっちに来て確かめろ!」


 栗岡「いや結構。遠慮させてもらうぜ」


 朝時雨「オーイ君たち。始まってんだけど」


 榊原(姉)「…クライマックス邪魔しないでくれる?」


 栗岡「そーだそーだ!それにさっきまで一緒にやってたじゃん」


 朝時雨「俺も続きやりたいけど仕方ないんだって」


 栗岡・榊原(姉)「ブー!ブー!」


 朝時雨「わかった、わかったから!後で最初からやればいいだろ?」


 栗岡「まあ、それなら」


 榊原(姉)「いいかな」


 榊原「(また最初からあれを見せられるのか)」


 朝時雨「んじゃ張り切ってプロフィール紹介といきますか!」


 栗岡「何が始まるんです?」


 榊原(姉)「プロフィール紹介だ」


 プロフィール


 しぐ

 正式名称、扶桑血時雨(ふそうべにしぐれ)。元々は刀だったがリタに使われている内に付喪神(つくもがみ)になる。

 その後、太平洋の折り、16インチ砲弾が直撃。転生を果たす。

 基本人形(ひとがた)だが刀に変化することができる。

 身長約180㎝。短い黒髪で瞳も黒。体型は標準的で、エセが付きそうな関西弁で話す。

 制作者不明。


 栗岡「知らん」


 榊原(姉)「誰?」


 朝時雨「そりゃそうだろ、太平洋の時には転生してるんだから」


 栗岡「てかプロフィール紹介終わったから最初からあれやるべ」


 榊原(姉)「そうだ!そうだ!」


 朝時雨「いやちゃんとやれよ」


 栗岡「今度はクックやらしてあげるからさー」


 朝時雨「よしやろう!」


 榊原「(やっちゃうんだ…)」


 無線機先輩『連絡だゾ』


 榊原「ん?なんだ?…………了解!栗岡、姉ちゃん!敵襲だ!至急来てくれと!」


 栗岡・榊原(姉)・朝時雨「「「…………」」」


 榊原「?」


 栗岡・榊原(姉)・朝時雨「「「野郎ぶっ殺してやああぁぁる!」」」


 榊原「えぇー?」(困惑)

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