表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

断崖の被造物

作者: 抽冬一人


 細波のような広い砂地を抜けると、忽然と断崖が姿を現す。


 切立った崖の尖端には、不等四面体の被造物が天を目指している。長さの知れない時間が経つごとに、被造物はその高さを増していく。その過程には計り知れない労苦が注がれている。そして時折、風化した一部は崖下へと、轟音とともに落下していく。じつにゆっくりと、長い時間をかけて。


 落下した尖塔じみた部分は、再び崖下より天を目指して伸び始める。

 そしてまた、伸び落ちる。

 伸び落ちた部分は独立して、再び高く伸び始める。


 こうして植物のような成長を続けた被造物は、幾つもの建築部分が絡まり合ったまま、自己組織化を図る。ある人はその光景を見て、それを森だと言う。ある人は銀河。台風。結晶。蜂の巣。

 そして、ある人は、物語である、と。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ