表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第二頁 過保護な黒の奮闘記 〜2種の氷菓は幸福を歌う〜

暗いとある森の中。

そこを領地とする黒の女王は、きまぐれに散歩をしていました。

彼女は美しさにはかなり自信がありました。毎日のように魔法の鏡に世界で1番美しいのは誰かと聞き、答えられるのが楽しみなほどにです。

彼女は魔女ヘイル。禁忌とされる闇の魔法の使い手でした。

普段散歩などしない彼女がなぜ出かけているのか。それは先日の昼のことでした。

いつも通り鏡の返答を聞いてご機嫌になっていると、こんこん、と門を叩く音が城に響きました。

滅多にこない訪ね人に少し驚きつつ戸を開けると、そこには森に住む小人の一人が立っていました。


「ちゃーす、女王!元気ー?」


随分と軽い態度の小人です。

彼はこう見えて予知夢の能力を持っているため侮れません。初対面からこの態度が変わらないので、女王は諦めていました。もしかしたらその諦めも予知していたのかもしれませんが。


「何の用かしらミドリ。相変わらず軽いノリね」


緑の服を着ているからミドリ。安直な名前ですが、本人が気にしていないのでよしとしましょう。

ミドリはにいーっと笑いながら言いました。


「夢みたんだよねー!森の中にさー!真っ白な赤ちゃん捨てられてんの!真っ白なのに赤ちゃんとかマジ面白いわー!」


これだけなら魔女は動かなかったでしょう。

しかし、彼の次の言葉が彼女を動かしたのでした。


「その子さ、超カワイイわけ!大きくなったら、それこそ女王より美人になんじゃね?」


こうして魔女ヘイルは、森の中をうろうろすることになったのでした。

今のうちに、白い赤ん坊を始末しておくために。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ