えぴろーぐ 完
「なあ、響三学期はちゃんと学校来いよ」
学校近くの公園、そこでシーソーに乗ってる響は黙っている しばらくして響が口を開いた
「俺さ学校やめるわ」
はあ? 何言ってんだコイツ?
「学校やめてミュージシャンになる」
響は趣味で音楽活動をしてるのはしってたけど、いきなりすぎるよ
「プロダクションの人にCD出さないかって言われたんだ」
そういうことか、響は素人の僕から見てもギターがうまい、カラオケでも常に90点台だし、才能はあると思う
「音楽の道が厳しいのはわかってる、飯食ってけるのはほんの一握りさ でも、俺は自分がどこまで行けるか試したいんだ」
多分だけど響は誰かに背中を押して貰いたいんだと思う そして一番の親友である僕に押して欲しいと
「響、おまえならできる」
僕がそう言い放つと僕の顔をじっと見つめる響、そして僕に駆け寄ってきて僕の手を力強く握ってきた…これちょっとまずいんじゃない?
「一星ありがとう、俺決めたよ俺頑張るから」
ヤバい惚れそう、女なら落ちてたよ まあ僕は普通だから
「おいおい響、近いって」
「わるいわるい、興奮してた」
そうして響は僕から少しはなれた ん? 知らない女子高生たちに今の一部始終見られてた、まあいいか
「何かあったら連絡してよ、できる限り協力する」
「ああ、わかった なあ、一星お前が俺の初めてのファンで良かったよ」
なんで変な言い方するの!男二人で気持ち悪い
ん!?こんなこと考える僕が気持ち悪いか、響は純粋に僕に感謝してくれてるのに
「響、頑張れよ」
僕は両手を広げて笑顔を作った、響は少し照れくさそうにして僕と抱き合った、たとえ響が高校をやめても友情は不滅だ
「じゃあな一星」
「ああ、またな響」
そう言って僕らは別れた 響とはまた会えるから
…これは後になってから聞いたんだけど、この公園に若い男同士のカップルが出現するっていう噂 …まさか 僕らじゃないよね?
えぴろーぐ 完