協定
鏡を覗きながら身だしなみを整える。
スーツに身を包んだ自分の姿が鏡に写っている。
「よし」
ピシッとスーツをひいて整えると同時に心の中を整理して引き締める。
とうとう僕らの機関との協定を結ぶ日となった。
記憶を失くしてから久しぶりにして大きな任務。機関にとっても、自分にとっても重要なチームとのアプローチ。
僕は気を引き締めて『WEP』へ向かうことにした。
『EM』と合流して最終確認を行う。
「しっかり準備はできたようね」
「君もね」
彼女もスーツ姿になって決まっている。
「じゃ行くけど、何か最後にあるかしら」
「いや、何もない」
「わかったわ、行きましょう」
僕らは扉の前まで進む。
僕が戸をノックすると、中からチームの一員である男性がやってきた。
「どなたですか」
と聞かれたので答えた。
「機関の者です」
「あ、そうですか。どうぞお入りください」
招かれて室内へ入る。
中に入ると、昨日調査中に見つけた床の戸を男性が開けて、入るよう言った。
階段を降りていくとだんだん暗くなっていき、足元だけ照らす小さなライトだけが頼りになる道を進む。
階段を降り終わると一本の廊下で両側に幾つか個室への扉がうっすら見える。
「こちらになります」
男性はかなり奥に行ったところの右側で止まる。
「リーダー、お客様です」
すると中の方から、「入れてくれたまえ」と言う声が聞こえた。
男性が扉を開けて、中に入るよう言ったので僕らは前へ歩む。
扉がパタンッと音を立てしまった。
「はじめまして」
軽く頭を下げつつ挨拶。
「機関の方々ですね。どうぞ、お座りください」
ここのリーダーさんは異世界生命だが、僕が見る限り本当の人間男性の姿をしていた。
今まで見てきた異世界生命の中で一番外見からの違和感がない。
「確認ですが、あなたがこちらの長ですね」
『EM』が身分確認をする。
「そうです。『WEP』のリーダー、ホォレス界のトリア・ウッズです」
その人は答えた。
「わかりました。でわ、今回の協定について入りたいと思います」
「まず、あなた方は他の世界などの情報を多く保有しているようですが、なぜ我々機関にその情報を共用しようと考えたのでしょうか」
僕のこの問いに対して、トリアさんは
「我々の世界ではもともと多くの種族、世界との交流が多く自然とそんな情報を管理することをしてきました。しかし、この地球と繋がるようになる数年前から我々が敵視していた世界の者達との対立が起こってしまい、更にこの地球も狙われていました。我々は同じ立場となっている世界を救おうとここを中心地に人間と交渉してきました。そして、あなた方の機関を見つけた時、私はあなた方と協力しようとかんがえました」
このあと様々な話を聞くことができた。
機関と関わりを持とうとした理由は最初の話にあった通りだ。
彼らは機関との協定を強く望んでいるようだ。
人間と異世界人が共に協力しているチームとの協定・・・
「でわ、最後に質問です」
『EM』が問う。
「あなた方『WEP』は協定に合意したあとは我々にあらゆる面での援護することを約束しますか」
その問に
「はい。約束致します」
と答えた。
これで本人からの意思は確認できた。
「でわ、こちらの方に署名を」
ファイルから協定に関する書類をだす。
その書類に署名をしていくトリアさん。
数分して、署名が終わった。
「ありがとうございます。今後はあなた方のチームの皆さんは機関の一員です。なお、こちらの方にも機関の人がやってきますがよろしいですか」
「はい、大丈夫です」
これで全て済んだ。
僕達は本所に戻ることにした。
「でわ、失礼します」
僕がそう挨拶すると、
「頑張ってください」
と彼が言った。




