イギリスへ
僕は秘密機関から空港へ向かう。
あの時思い出せたことは、おおまかに3つ。
まず、機関へ入ったきっかけ。
次に自分のやっていること。自分はこの機関でスパイや調査などあらゆる面で仕事をしていた。うるおぼえだが、数回ほど戦場にも赴いたこともあるっぽい。総長に信頼されているらしく、仕事も多い。
あと、妹がいなくなった理由。だが、いくらさっきの記憶を思い出しても妹の顔と名前が出てこなかった。
「お客さん、ついたよ」
英語で言われるが、このくらいは日本語に訳せる。
タクシーから降り、空港内へ。
受付に向かい、一枚の紙を渡す。
「確認しました。2番線へお向かいください」
僕は確かに妹を世界政府から取り戻したい。いや、こんなことにしてしまった存在を探し出し、問い詰めたい。
機関へ入って訓練を積み、様々な仕事に携わった。だがせいぜいこの世界を変えた存在に関わる内容ばかりで、妹に関しては一切つかめていない。
まあ、機関の全体的な意思はそのことでいいのだ。自分もそのつもりで入ったのだから。
僕は空港内の2番線に近いロビーで待っていった。
すると、奥の方から一人の若い男性が来た。
「『SIN』さん、やっと復帰しましたか」
「ああ。まだ全然記憶がないけどな」
「そうですか。しかし、復帰そうそう重要任務とは大変ですね」
「いいんだ。1年もいなかったから。それより、急ごうか、『舜』」
「はい」
『舜』についていき、滑走路の一角に止まっている個人用飛行機へ向かう。
彼、『舜』は僕より年上の20歳だが、5年ほど前に機関へ入った凄腕パイロット。
彼は中国人らしく、本名は総長にしか明かさず、あとのメンバーは全員コードネームで呼んでいる。
僕より年上だが、機関への入会は遅いため、あと彼の性格も伴い大体のメンバーには敬語風に話す。
「つきました、『SIN』さん。5分後、出発します」
「わかった」
僕は飛行機に搭乗する。
中に入るともう一人メンバーがいた。
「遅いよ、復帰が」
「ゴメンな、今復帰した」
適当に席に座る。
『えー、これからイギリスに向かいます』
飛行機が動き出し、離陸する。
離陸が成功し、しばし時間をあけて彼女が話しかけてくる。
「ふーん、久しぶりの仕事ね。『SIN』」
「ああ。久しぶりだな、『EM』」
彼女は僕と同い年でコードネーム『EM』。イギリス人だ。
「さぁ、仕事の話よ」
総長から貰った資料を開く。
「今回は、イギリス東部を拠点としている生存者と異世界生命人で組まれているのチーム長との交渉よ。
チーム名は『WEP』。長は異世界生命人よ」
「依頼内容は、我々の機関との協定をとることか。でも、なぜ異世界生命人と突然協定なんかを。」
「どうも、そのチームはかなり地球人とつながりを大切にしたいらしい。更に、他異世界生命などの色々な情報もあると。だから総長もこのチームには協定を結ぼうとしているんじゃない」
確かに、他の異世界生命の情報を得られることは機関としても好都合だ。
「どんな内容であれ、僕達は任務をこなすだけだ」
「そう。私達は機関の意思を果たしていくだけよ」
僕らはイギリスへむかっていた。
ここまで異世界生命などが出て来ませんでしたが、次回以降登場できる予定です。




