きっかけ
~7年前~
西暦が終わり、新暦元年となった年の冬、1月。
僕はまだ7歳ごろの時、異世界生命と人間どうしの戦争で両親は戦場にいっていた。
僕と妹は戦争に関わっていない人里離れた村に住んでいた。
だが、戦争が激化、生き残った世界政府はそれに伴い有能な子供はどこにいようがどんな状態であろうが駆りだされてしまう。
その対象は僕の妹にも降りかかった。
妹は、5歳と言う幼さながら、異世界の技術をすぐに覚え始めていたからだ。
僕は何もできずにただ妹が政府に連れてかれるのを泣きながら見ていることしかできなかった。
その数日後、両親が戦死と伝えられ、何も守れなかったと思い僕は生きることが辛くて死を見つめた。
だが、そんな僕にある一人の人がこえをかけてくれる。
「君はまだ必要だ」
僕は、「もう僕なんか・・・」とつぶやく。
その人はこう言った。
「いいや、君も妹はまだ生きている。まだ君を必要としている」
「でも・・・ は連れてかれちゃったもん・・・」
「君は、妹を取り返したくないのかい?こんな世界にした者を憎くないのかい?」
僕は力いっぱい首を横に振る。取り返したくて、取り返したくて・・・
「だろう?ならば、私についてきなさい。そうすれば、君が取り返したい妹にもいつか・・・
いや、必ず会える」
「本当に・・・?」
まだこの頃の僕は小さかったから、この言葉には動かされた。
「ああ、本当だ。君にはいい素質がある。少々大変なこともあるが、それでもついて来るかい?」
「・・・うん!」
「そうか。なら、私は君を必要とし、歓迎するぞ。」
その人、その若くまだ10代ほどの女性は小さく僕に微笑みかけ、手をったてくれた。
「あなたは誰?」
「私か。私は・・・」
~現在~
今椅子に座っている女性は、その記憶の女性とそっくりだ。
「・・・鳴海さん・・・」
彼女の名をつぶやく。
「やっと思い出せたようね、結介くん。記憶は取り戻せたかい。」
「はい。ご迷惑おかけします、稲城鳴海さん・・・いいえ、『朱衣』総長」
「君に改めて総長と呼ばれるとな。今までの呼び方でいい」
総長、鳴海さんがそう言う。
「この機関のことも思い出せたかい?」
「大体記憶があります」
確かに、この機関の全体のことも思い出せた。
「そうか。なら、話は早い。今まで休んでいた君には申し訳ないが、仕事がある」
「大丈夫です。どんな内容ですか」
鳴海さんは一つのファイルを渡してきた。
サッと中身を確認。
「結介くん、今回は君ともう一人の助っ人でイギリスにいって、ある異世界生命人のお偉いさんと交渉をしてもらう」
「わかりました。助っ人は誰でしょうか」
「今回はかなりこちらに重要なことなので、私が信頼している君とミシェルだ」
「分かりました」
僕はすぐに仕事に行く。
と、その時鳴海さんが一言。
「頑張りなさい」
「はい」
僕は理事室を出た。




