記憶の欠片
翌日は朝早くから静岡から長野へ向かった。
人間を見かけることは少ない。だが、異世界生命体を見かけることは日本では一回もない。
「なんでだろうか・・・?」
アメリカやイギリスではあんなにいたのに、なぜ日本にはいないのか?
いや、もしかしたらこのへんにはいない可能性もある。
だが、あまりにもい世界時生命体独特の違和感がどこからも伝わってこない。
そんなことに想いをはせているうちに、目的地に着いたようだ。
「・・・うん。ここは空気が良い」
今僕がいるのは長野の北部、結構山が近い町。
どうやら、ここは平和な環境下にあるのだろう。人をよく見かける。
特に建物などの外傷は見当たらない。
世界的事件後、周りが山岳地帯で狭いため他の勢力から攻撃が殆ど無いまま、復興が早くできたのだろう。
そんな土地で、母の実家を探す。
母の実家に訪れた。
「ここか」
昔妹が連れ去られる時にいた道らしき所も道中あったので、多分ここに住んでいたと思われる。
母の実家は木造建築の広い一階建ての家だった。
僕は場所があっている事を確認して中に入る。
「・・・ただいま」
どうも僕は家に入るとこの言葉を言ってしまう癖があるのだろう。
この家にも誰もいない。だが、物は全て放置状態だった。
とりあえず、居間を探して入る。
(ここかな?)
ふすまを開けると、結構広い居間らしき部屋だった。
その中に入り、たんすの中などを探して自分のことなど何か手がかりになるものがあるか探す。
「ん?」
戸棚から出てきたのは一枚の写真だった。
写真は昭和頃ので、写っていたのは一人の若い女性だった。
「これは・・・・・・母親・・・?」
僕の記憶に両親の顔が浮かんでこないのでよくわからないが、どうも自分に少し似た顔立ちをしているのでそう考えた。
とりあえず、母の物はこれぐらいしか出て来なかった。
次に、家の中を散策して自分か妹、あるいは両方の部屋があるか探す。
僕らの部屋は南側の一番奥の一角にあった。
中に入ると、机が2つ、ベットも同じく2つあった。
机には様々なものが放置されていた。
妹の方を探すと、あるキーワードが出てきた。
『りさ』と名前を書く欄にひらがなで書いてあった。
「りさ・・・」
しかし、記憶からは何も出てこなず、思い出すこともなかった。
「だめか・・・」
名前だけはメモをして、自分の机を探ることにする。
自分の机の引き出しを開くと、そこには日記があった。
これに何か書いてあると思い、開いてみる。
『10月22日 空が真っ赤になっていた。何か大きな石がふってきている。なんなんだろう?』
『10月24日 大きな地しんがあった。とってもこわかった。妹がぼくにくっついてきた。大きな石が空になかった。』
たぶんこれは世界的事件の日を書き連ねたのだろう。
この先もまだあった。
『10月30日 町の方に行くと人がさわいでいた。建物がこわれていた。どうしたんだろう?』
このあとは少し開いていた。
『11月14日 おばあちゃんが見つからない。どこにいったんだろう・・・』
『11月17日 りさが誰かにつれてかれた・・・』
どうやら、11月17日に妹は日本政府に連れて行かれたのだろう。
日記はもう一冊あった。
二冊目を見てみる。
『8月9日 庭で妹と友達二人を連れて裏山に行った。しんごがコケた時はみんなで大笑いした。』
どうやら事件前の出来事のようだ。
しんごはたぶん昔の友達と思う・・・
おもう・・・?
「!!」
思い出した!
~7年前~
僕と妹は友達を連れておばあちゃんの裏山にある秘密基地にいった。
妹の顔はまだはっきり見えない。だが、結構細身であった。
友達は近所の女の子と仲のいいしんごという男の子がいた。
しんごの本名は「佐武志悟」だった気がする。
四人で裏山に向かった際に、志悟が足を滑らせて顔からずっこけた。
僕らはその光景を見て、たくさん笑っていた・・・
~現在~
「・・・そうか。やっぱりここで暮らしてたんだ・・・」
これで第二の故郷の場所がはっきりとわかった。
そして、ここで事件があり、妹がここで連れて行かれ、僕が機関へはいることも。
「よし。とりあえず、次行こう」
僕はここを離れて、任務へ向かうことにした。




