第9話
無我夢中だった。
気がつくと6匹すべてを倒していた。俺の全身は血まみれ。吐き気がする。
倒れた野犬は一瞬だけ青い玉に姿を変え、その青い玉は俺に吸い込まれるように消えた。
いつの間にか、俺の全身にこびりついていた血も消えている。
血の形跡は匂いとともに全て消えた。後に残ったのは疲れと、なんとも言えない気分の悪さだけ。
すぐに街に引き返すことにした。
街に戻り、ステータスを確認してみた。
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eight(le.1)
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職業:無職
スキル:幸運(le.18)
融合(le.2)
飼育(le.1)
逃げ足(le.2)
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命:100
体:20
心:1
力:20
技:20
速:320(300)
運:4542(4522)
攻撃力:1820(1800)
防御力:32(12)
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Tシャツ(+4)
ハーフパンツ(+4)
ボクサーパンツ
スニーカー(+4)
幸運の指輪
シルバーネックレス
真紅の刀(+1800)
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称号:カジノを出禁にな
った男
(呪):levelがあがらない
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逃げ足のレベルがあがっている。呪いはスキルではなく、俺自身のレベルのみに影響があるようだ。
気になるのは、『速』の320。元々が20だったから、スキル『逃げ足』であがったのは300。その数字がどれほどのものか分からないが、時間が止まったように感じる程は速くならないだろう。
やはり、スキル自体の力で、あの瞬間に爆発的に『速』があがったのだろう。そうでなければ、普段の生活にも影響が出るはずだ。
『心』が著しく減っているのは、さっきの『融合』のせいだ。
『体』が減っているのは、先程の戦いとスキル『逃げ足』を使ったせいだろう。
『逃げ足』は多用は出来ない。一度の戦いでおよそ70は使用しているはずだ。
俺自身のレベルを上げて、『体』の絶対値をあげなければ。
レベルをあげるには、呪いが邪魔だ。
まずは呪いを解く方法を探さなければならない。呪いが解けるまでは、連続して戦うことは避けよう。
一日一回。もしくは帰って体力が回復してから、もう一回くらいかな。
今日は帰って寝よう。明日からは、呪いに関する情報収集と、使えそうなスキルカードの散策、あとは戦闘になれるようにしよう。
戦う度に、吐き気をもよおし、気持ち悪くなってはいられないからな。