第11話
次にモンスターの捕獲について調べた。
捕獲は誰でも出来る。ただ、職業では『操獣士』『召喚士』だと捕獲成功率があがるようだ。スキルでは『捕獲』が捕獲成功率があがるようだ。
アイテムでは『捕獲玉』というものがあるらしく、その玉をモンスターに当てると捕獲成功率があがるらしい。
捕獲玉は、モンスターに当たると、網が広がり、モンスターに絡みつく。
捕獲玉の種類によっては、ただの糸から鋼鉄製のワイヤー、スキル封印の術式が組み込まれたものまであるらしい。
捕獲のコツとしては、相手を弱らせてから捕まえる。
失敗したら、更に弱らせる。何度も繰り返す。
モンスターに強さを認められると、相手は服従するらしい。
その為に、一般的には、捕獲者とモンスターの強さに相当な開きが必要らしい。
まずは実戦でコツを掴むか。
昼食後、スキルショップを探し、目的のスキルカードを全て買った。全部で120,000ゴールド。一つあたり20,000ゴールド、つまり200万円相当だ。高いのか安いのか分からなくなってきた。
アイテム屋では『捕獲玉』を10個買った。全て最高級品。これは10個で20,000ゴールド。
『捕獲』を試すために、『会心』を外し、『幸運』『逃げ足』『刀』『捕獲』『回復』『回避』をセットした。
捕獲するのに『会心』は必要ない。
早速、街を出てモンスターを探す。
昨日のように囲まれないよう、注意しながら歩く。
いた!
今度は野犬とは違う。
見た目は似ているが、少し小柄。色は橙色に近い黄色。なんだかおどおどしている。
ウィンドウが現れ、モンスターの名前が表示される。
『子狐』
真紅を抜刀する。峰打ちでどれほどの威力があるか分からないが、一応、峰打ちを狙ってみる。
捕獲玉も用意した。準備完了。
ドキドキする。
そっと、背後に回り込むように近づく。
・・・気付かれたっぽい。目が合った。
一気に間合いを詰めると、相手はスローモーションになった。 峰打ちを繰り出す、、、が、目が合ったままだったので、なんとなく躊躇した。
ギリギリのところでかわされたが、相手の脚から腰に掛けて峰がヒットした。
何かが潰れた感触が手に伝わってきた。恐らく、相手の骨が砕けただろう。
相手は身動きを取れないようだ。
念のため、捕獲玉を投げると、相手に当たり、一瞬で網状のワイヤーが広がり、捕縛した。
背後に周り近寄り、背中にそっと触れる。
ウィンドウが現れメッセージが流れた。
「『子狐』の捕獲に成功しました。名前を決めてください。」
『1号』
ウィンドウにタッチし、名前を入力した。