はじめてのおつかい
はじめてのおつかい。
それはテレビ番組でクローズアップされ、一躍一大行事となった、
親と子の盛大なる儀式。
その番外編。
うちの嫁は体調が変わりやすい。
女性特有のものらしいが、頭が痛い、胃がムカムカする、生理痛などなど。
その代表格が便秘だ。
産れつき腸に難があったらしく、うちの長女もしっかり受け継いでいる。
で、2ヶ月に一回ぐらいトイレで妻は泣いている。
「おなかが痛い・・・。」
「くすり切れたから買ってきてぇ」
「はい?何を???」
それは「コーラック」というらしい。
女性専用の?便秘薬品で、CMでもやっているアレだ。
「そんなの恥ずかしいから無理だよ」
いい年して、大きな体して、女性用便秘薬なんぞ買ってられるか!と心で叫ぶ。
「○ーちゃん(長男)連れてったら、お母さんのためってわかるからいいじゃん」
一理ある。
ともあれ納得させられ、長男(当時Lv1)とドラッグストアーへ・・・。
・・・そこはまるで迷路のようだった。
医薬品という医薬品、化粧品、オムツに食料品、服に雑貨、うきわや、自転車まで。
どこがドラックストアやねん!っと心で叫び(2回目)、いざお宝探索。
普段私が聖域として踏み込まない場所にそれはあると判っていた。
女性用品売り場・・・それは未開拓のフロンティア。
無理だぁぁ!!と心で叫び(3回目)、
長男の存在をアピールしながら、奥深くへ。
・・・無い無い、探せど探せど見つからない。
いい加減に周りの目も気になってきた。
小さな我が子をダッコしつつ、汗ばみながら、
「ナイネー ○ーちゃん、ナイネー」を繰り返す私。
「アッコ!アッコ!」 訳:店員さんに聞けばいいのに!
と長男
そうか!その手があったか。
強大な敵を目の前にしたときに、自らを見失ってしまうとは良くあることだ。
(例:スラムダンクの 河田兄(丸ゴリ)に対する赤木など)
そうとなれば善は急げだ。
「あのぉ・・・コーラックってありますか?」
近くにいる女性店員に、身の丈180を超える体を小さく見せ、
ダッコで歩き疲れ恥ずかしさも手伝って赤らめた顔で尋ねてみた。
「それだったら、こちらですよーー」
とあっさり。
スタスタと歩いていく。
私が予想していた聖域をすんなり抜け、見慣れた感じの商品が並ぶ所へと。
「あ、そうか・・・薬でいいんだ・・・」
そう思うと余計に恥ずかしくなってきた。
そして、女性店員の足が意外な所で止まった。
そこには飲み物がズラリ・・・・。
「こちらになります!」
女性店員の指の先には・・・・
「コーラやないかい!!」
お後がよろしいようで・・・。
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