丼鰤勘定
「どんぶりかんじょう」です。
験を担いだ量り売りの幸せを
あたしの腕は振り払いました
皿は毒ごとが流儀のひとつでして
そこに幸も禍いもない
匙加減を責めはせず
掬う回数より
サイズから見直して戴けたのならば
享じ興ずるなら浴びるほどがいい
生じ承ずるなら慎ましさを忘れてよ どうぞ
棒を担いだ蜆売りは気の毒に
あたしは今朝も買い渋りました
いっそ籠ごとと迫られていましたら
押し切られていたんでしょうに
手心とか掛けもせず
値切り応じるより
もってけと気前よく戴きたいのです
応じ謳ずるなら溢れ出てもいい
総じ奏ずるなら浸らせておくんなまし どうか
空っぽよりも辛いのは
八分目の空きっ腹 残しながらも
昼休みを終えることなのをあなたは知らないさ
報じ焙ずるなら
調じ徴ずるなら
乗じ譲ずるなら