人は空を見れば
人は空を見れば何を思う?
神が見えるか?
昨日の空との対比を思うか?
分からない…神などという物は人間が考えた理想でしか無い見える訳がない。
昨日の空など気を使わない…例えそれがどれだけ幻想的で理想的であったとしても。
人は脳の奴隷である。
身体は脳が動かし…人格さえ脳という本来ただ体に指令を送る器官が作り出した物…
脳は頭蓋の奴隷である。
自ら出ることのできない…生き殺しされたただの器官である。
私は私自身の奴隷である…思うことをも全て脳が感じただけの事である。
理想的な空を見ても…自分の作り出した神という名の都合のいいゴミを思い出し…思い出すのに…見えもしない…何も見えぬのに、私は空を見て何を思った?
自分が興味を示さなかった故今日の空を嗜めない…そんな哀れな自分を…自分自身にも関わらず哀れと思う脳と私は別なのか?
私と言う存在は何か?
意味が分からないことだらけだ。
これすらどれだけ考えても結論付けない脳(私)はただのこの世界に存在する"何か"なのか。
昨日の自分と今日の自分は違うのか?
なぜ昨日の事を後悔する…なぜ後悔するのに昨日行わなかったのか?
神がいるなら私の視界に現れてくれないか?
さすれば私は私の作り出した理想に縋らない…正しいと自分で言える人間へと昇格出来るのではないか?
そんなのはもう分からない…
分かる気がしない…
ただただ見上げた空は言い表せられないほど綺麗であった。
薄々かかった雲が紅葉の様な綺麗な陽光が差し込み…まるでモネの国会議事堂を思わせる…そんな幻想的な空であった。
「この空は…何の奴隷でもなく…何にも囚われない、自身にさえ囚われない…私は空になりたい…一途に空に聳える事しかしないそんな…綺麗な空に…」