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翔は鍵を使える場所がないか思い出していた。
亮介と会った時に、開かないドアがあると言っていた事を思い出し、部屋を出ようとした。
「おい、どこに行くんだよ?」
「向かいのドアに使えるかもしれないだろ。」
2人はドアをそっと開けた。それから注意深く左右を見ると、鍵のかかったドアの前に立った。
翔は鍵を鍵穴に入れ回した。すると、カチャッという音と共に鍵が開いた。
部屋に入ると、奥にベッドがあり、手前には机や本棚があった。花の絵のカレンダーが壁に飾られているが、それは数年前の6月で止まっていた。部屋の配色は水色を基調にしていたが、女の子が好みそうな雑貨が所々に飾られている。
2人が部屋の物を調べ始めると、机の上にはノートがあった。
ページが開いてあり、それを読もうと手を伸ばした時だった。
「ひっ・・・・!!!」
亮介が短い悲鳴をあげ、翔が驚いて後ろを振り向くと、思わず呻き声をあげた。
入った時は後ろ手になり気づかなかったが、亮介と翔の背後には、壁一面を覆い尽くすほどの写真が貼られていた。そしてその真ん中には、大きな文字で「コロス」と殴り書きされていた。
「これ・・・なんだよ。気持ち悪・・・。」
「翔、これ、俺たちの写真だ。俺とお前と海斗が写ってる・・・」
大学やバイト先、自宅の近くなどにいる自分たちの写真が撮られていた。つい最近の物まである。だがそのほとんどの写真の顔が、黒く塗り潰されたり画鋲を刺されたりして、見えなくなっていた。
「誰がこんな事・・・」
呟く亮介の隣で、翔は先ほど読もうとしたノートに目を落とした。
「・・・ひなこだ。ひなこが俺たちの名前をここに書いてる。」
「は?」
亮介はノートを手に取ると素早く目を走らせていたが、途中で眉間に皺を寄せ手を震わせた。
「あのクズ女・・・!!! こんな物残してたのか!!」
亮介はノートをグシャっと握り潰した。そんな亮介を見て、翔は過去にあった出来事を思い出していた。
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