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翔と亮介は別荘を出ると、歩いて山を下ることにした。
しばらく歩くと、翔は地面で何かが光ったのを見つけた。
「あ、俺のスマホ・・・」
「お前こんな所に落としてたのか? よく見つけたな。」
2人はいつの間にか昨夜花火をした場所まで来ていた。
スマホを触ると、画面が光りアプリの通知を表示していた。電池は半分ほど残っており、電波もあった。
翔は通報をするとポケットにスマホを入れた。
どれくらいの時間歩いたのだろうか。2人がようやく道路に出ると、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
その音は次第に近づき、やがて止まった。
今度は複数の足音が近づいてきた。それは警察官達だった。
「助かった・・・」
2人は警察官に無事保護された。
何が起きたのか亮介が事情を説明していると、オレンジ色の光が差した。朝日が登り始めたのだ。
「何でこんな事になったんだろう・・・」
小さく呟くと、翔は山の遠くで輝く朝日をじっと眺めた。
GOOD END




