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小屋に入ると、中には山積みになった薪や錆びた斧が置かれていた。
翔はとても疲れていた。空いている場所を見つけて床に転がると、目を閉じた。
小屋のドアが開き、目を開けると・・・
大きな鉈を持ったうさぎ男が立っていた。
「く、来るな・・・もう、いい加減にしてくれ・・・・・・」
翔が上体を起こして後退りすると、うさぎ男が鉈を構えて近づき、振り下ろそうとした。
ーーーー瞬間、大きな揺れが2人を襲った。
「ひっ!!」
うさぎ男の鉈は翔の真横の床に刺さってしまった。男は鉈を引き抜こうとしていたが、深く刺さってしまい手間取っていた。
翔はその隙に外へ逃げようとしたが、窓の外から強い光が差しているのに気がついた。その光は小屋の中を昼間のように照らしている。
何が起きているのか分からなかったが、翔は小屋の外へ飛び出した。
そして目にしたのは・・・
目が眩むような発光する謎の機体と、今まで見た事がない生き物のシルエットだった。
生き物はゆっくりと振り返ると、呆然とする翔に、一歩、また一歩、近づいて行った。
鉈を引き抜いたうさぎ男が、翔を追うため小屋を出ると・・・
夜空を明るく照らす謎の発光体が遠くの空に消えていくのが見えた。
辺りを見回すが、翔はどこにも居ない。
代わりに草木がなぎ倒され大きな円状の跡が森の中に残されていた。
うさぎ男は仮面を外し、その光景と夜空を交互に眺めた。
UFO END