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うさぎ男の仮面の下・・・
それは智也だった。
「なんで・・・? 死んだはずじゃ・・・。」
亮介と翔が智也の顔を見つめた。
智也は普段と変わらない顔をしていたが、その瞳の奥には強い怨みの念が宿っていた。
「お前達に復讐するために、死んだフリをしたんだよ。」
「復讐・・・」
翔はその言葉を繰り返すと、ひなこが飛び降りた時の映像がフラッシュバックし、罪悪感に苛まれ胸のあたりが苦しくなった。亮介も青ざめていたが、吐き捨てるように言った。
「つまり友達のフリをして、俺たちを殺そうとしたって訳か。お前のやってる事、最低だな。復讐なんて格好つけた言い方をしてるけど、ただの犯罪だからな、智也。警察に捕まったらお前の人生お終いだ。」
亮介には罪悪感が無いようで、臆する事なく智也を睨みつけた。智也は亮介を見ると顔を歪めた。
「・・・自分の事は棚に上げて、そういう風に図々しく生きてる、その態度が嫌いなんだよ。本当だったら、ひなこは今も生きてる筈だった。だけど、お前達のせいでひなこは自殺したんだ。それなのに、お前達は何も無かったように楽しそうに学校に通ってて・・・・・・吐き気がしてくる。言っとくけどなぁ、亮介。お前達を恨んでるのは、俺だけじゃないんだ。」
「何だと?」
なぜか智也が笑った。
その瞬間、亮介の悲鳴が聞こえ翔が振り返った。
亮介が膝をついて肩を抑えたまま倒れた。
地面には少しずつ血が広がっていく。
その横には血まみれの斧を持ったうさぎ男が立ち、ケタケタと笑っていた。
「亮介!!」
「ここはひなこの家の別荘だ。ひなこの両親にお前らに復讐したいと伝えたら、この別荘を使うといいって言われたんだ。」
翔は亮介に駆け寄ろうとしたが、うさぎ男が斧を動かしたので足を止めた。
「お前らを1番恨んでるのは、ひなこの家族だ。この計画を伝えた時、快く承諾してくれた。お前らに復讐したがってたんだ。分かるよな・・・?」
翔は震えた。これ以上亮介の話を聞きたくなかった。
「翔、お前は随分後悔してるみたいだけど・・・」
鉈を持った智也が、ゆっくりと翔に近づいた。翔は後退りする。
「いくら後悔してもひなこは生き返らない。本当に悪いと思うなら、今ここで償え。」
翔の目の前に来ると、鉈を大きく振りかぶった。
俺は・・・
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