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翔はうさぎ男の一撃をかわし、カウンターを取り顔を殴った。男はよろめいたが、そのまま近くに立っていた亮介の方に向かい斧を振るった。
「亮介!!!!」
亮介は逃げようとしたが、間に合わなかった。うさぎ男と揉み合いになったが、斧の刃が亮介の腕をえぐると大きな悲鳴をあげた。無情な男はその隙を見逃さない。
斧が振り下ろされた。
男が何度も斧を振り下ろしている姿を見て、翔は強い恐怖に駆られた。
「ごめん、亮介・・・!」
翔はキッチンから飛び出し、別荘の外に逃げた。
「・・・北原さんと亮介が・・・」
翔は暗い森の中を歩きながら、先ほどの光景を思い出し涙ぐんだ。すぐに強い吐き気を覚えると、近くの木に手をついて全て吐き出した。息ができず涙が流れ、酸性の匂いが鼻についた。
胃の中が空になると、ふらふらと森の中をあてもなく彷徨い歩いた。
気づくと、目の前に小さな小屋があった。
人が住むには小さすぎる小屋だった。資材置き場だろうか。
翔はここに身を隠すか迷った。
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