17
「風呂場に行ってみよう。」
2人は脱衣所まで来ると、風呂の中を覗いてみた。
誰もいないが、風呂の蓋がされている。
翔がおそるおそる蓋をあけると・・・浴槽の中は湯が抜かれ、空になっていた。
後ろで亮介がため息を吐くと、浴室の中を見回した。亮介の視線が、あるものを見て止まった。
「翔・・・さっきの音、これじゃないか?」
「どれ?」
翔が振り向くと、亮介の視線の先にはドラム式の洗濯機があった。
暗くて中はよく見えないが、何かが入っている。北原さんが洗濯したのかと思い、蓋を開けようと翔が手を伸ばした。
そこで気がついた。
洗濯機の中には、海斗だったものが詰め込まれていた。
「うわっ・・・・!!!」
翔が後ろに飛び退くと、亮介が何事かと洗濯機を覗こうとした。
「見るな! ・・・海斗が、海斗が・・・」
翔の発言を聞き、亮介は動きを止め、ゆっくりと後退りした。
2人は息を震わせながら、なんとか呼吸を整えた。
「・・・翔、ここを出よう。」
「うん。」
ヨロヨロと力なく歩き、廊下に出た。すると奥に人影が見えた・・・・・・
うさぎ男だ!
2人は散り散りになって逃げた。男に気づかれてしまい、後ろからはドタドタと追ってくる足音が聞こえてくる。
翔は近くにあった部屋に入ると、クローゼットの中に隠れた。
手で口を押さえ、息を殺した。呼吸を整えようと思った瞬間、バタンと音が聞こえた。
口を抑えながら、クローゼットの隙間から部屋の中を覗き見た。
入り口から少し離れた所に斧を持ったうさぎ男が居た。きょろきょろあたりを見回し、翔を探す素振りをみせている。
うさぎ男はクローゼットに近づいてきた。
不気味な仮面がどんどん近づくと、翔の呼吸が激しく乱れ必死で口を抑えたが、その手は小刻みに震え、今にも声が漏れてしまいそうだ。
クローゼット越しに、男の仮面が翔の目の前に迫る。
その手がクローゼットの引き戸に伸びようとしている。
見つかる・・・!!!
極度の恐怖心に駆られた翔は、決断に迫られた・・・
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