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14


 山奥の別荘に車が止まった。中年の男性と女性が降りる。


 2人は別荘の中に入ると、リビングのソファで待っていた智也と向かい合わせに座った。


「智也くん、君には感謝してもしきれない。私達の代わりに、君の手を汚させてしまった。」

「いいんです。俺の手でひなこの仇を討ちたかったんですから。」

「ひなこも天国で喜んでいると思うよ。ありがとう、智也くん。」

「智也くんは優しい子だわ。」


 3人は静かに笑うと、中年の男性が口角を下げた。


「ところで、死体はどうしたのかな?」

「計画通り、焼却炉で燃やした後に骨を砕いて川に捨てました。」

「そうか。よくやってくれた。」


 女性が口を開いた。


「ところで、あの子はどうしてるかしら。薬はちゃんと飲んでいるのかしら?」

「それが・・・」


 智也は躊躇いがちに2人に伝えた。



「実は、計画を手伝ってもらったんです。」


「・・・なんですって?」



 女性が口を押さえると、智也が慌てた。



「勝手な事をして、すみません。でも、どうしても手伝いたいって言ってくれて・・・」

「あいつは今どこにいるんだ? 裏に閉じ込めてあるんだよな?」

「いえ・・・2階にいると思いますが。」


 男性と女性が青ざめている様子を見て、智也は異変に気が付いた。


「今、呼んできましょうか?」


「駄目だ! 智也くん、急いで車に乗ってくれ! 史恵、もう彩人の事は忘れるんだ。」

「そんな・・・」


 智也は訳が分からなかった。

 男性が智也に外に出るように促し、部屋を出ようとした時だった。



 ドアの外に若い男が立っていた。



「久しぶり。元気そうだね。」



 男はにこやかに挨拶をした瞬間、持っていた斧を振りかぶり中年の男性と女性に襲いかかった。

 智也が絶句してその光景を見ていると、斧を持ったままの男が笑いながら智也に近づいた。



「君のおかげでやっと自由になれた。ありがとう、智也くん。」














 男性が1人、口笛を吹きながら車に乗り込んだ。


 発車すると辺りは静けさを取り戻した。


 別荘の中にも久々の静寂が訪れていた。

 









WORST END


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