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【完結】方舟の子 ~神代の遺産は今世を謳歌する~  作者: 篠見 雨
第4章 聖ペトログリフ王国とユーラビスタ帝国
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第4章 第7話 グリフ教の大聖堂

迷宮六十階層、下り階段部屋。


 交代で瞑想睡眠をとって魔力の回復した四人はここから先について考える。

「ギルドで買えたマップは六十二階層まで。六十三階層からはマッピングしながら手探りになる」

 エイルがマップを手に現状について整理する。


「六十三階層からは競合パーティはいなくなると思う。そうすれば遠慮なく【コンテナ・ハウス】も使えるが、マッピングしながらの手探り進行は結構大変だ。六十五階層目指して行くか、ここらで引き上げるか」


 エイルが目線でさぁどっち?と訊く。

「攻略マップを更新するとか、そういう目標を持って潜った訳じゃないですし、帰って良いかと」

 ラクスレーヴェは「ダンジョンに潜ることが目的」だったのを指摘し、満足感から帰還に一票入れる。隣でアーシェスも頷いている。

「私も満足できたかな」

 マツリも満足したようで、帰還で良さそうな言い方である。


「それじゃ、今回はここまでにして帰還しますか」


◆◆◆◆


 迷宮六十階層の帰還転移陣で入口に転移すると、迷宮入場者管理の帳簿に帰還のチェックを入れる。今のところ活動資金には困っていないため、持ち帰って来た死骸は売らずに残す。


 地上に戻って来たのが昼頃だったようで、食欲をそそる匂いに気を取られる。


「適当に何か食べて観光して宿に戻るか」

 匂いに釣られるまま屋台料理を食べ歩く。旧市街の趣き深い建築物は異国情緒を感じられ、見ているだけでも楽しめる。屋台で買い物する度に店主達に観光スポットを訊いてみたところ、旧市街区のグリフ教の総本山が複数回答を得たため、とりあえず行ってみる。


 グリフ教の大聖堂に着くと、一般客が入れる場所の誘導に従い宗教画などを見て回る。

「グリフ教の言う神の子供達って、白髪紅眼で皆同じなんだな」

「ラムザ、これマザーの人造人間ホムンクルスだよ。てことは神はマザーの事だね」

 マツリの解釈にエイルは目を瞠る。

「マザーの子が神の子なら、マツリも神の子か」

「尊崇したまえ」

 マツリが胸を張る。しかしそれを言うなら、エイルだって神に拝謁してきた人間ということになる。

移民船スター・シーカーがこの惑星にきて人造人間ホムンクルスと移民者を惑星に降ろし、原生人類と交わってか遺伝子改良かは分からないけど、それで色んな種族が生まれたって感じのはず……。グリフ教の創世の宗教観は歴史的に大体合ってそう」

 創世の歴史の場所に行ってきました。など口に出したら色々アウトだろう。しかしエイルとマツリは今ここに居る。神の正体がマザーという人工知能だった事は、二人の想い出の中で共有していればそれで良いと思った。


◆◆◆◆


 宿に戻り、今後について会議する。

「グリフローゼのダンジョンも堪能したし、大聖堂も観光した。やり残した事がないなら旅再開でも良いかなと思うのだが。どうする?」

 エイルが仲間達に問う。


「屋台の料理も買い込みましたし、私は出発で構わないです」

「おなじく」

「任せるー」

 ラクスレーヴェとアーシェスも出発で問題ない様子。マツリは決まった事で良いという。

「それじゃ、明日の朝に出発で」


 出発が決まると各自就寝前のルーティーンを熟し、寝落ちるまで錬気を続けるのだった。



 翌朝、宿の一階で食事を済ませると探索者ギルドにストレイガル達を迎えに行き、そのまま東への旅を再開した。


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