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【完結】方舟の子 ~神代の遺産は今世を謳歌する~  作者: 篠見 雨
第4章 聖ペトログリフ王国とユーラビスタ帝国
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第4章 第1話 聖ペトログリフ王国のお国柄

 【聖ペトログリフ王国】の西方は大河の流れる穀倉地帯だった。豊富な農畜産物が新鮮で豊かにあれば、料理という文化も発展するのだろう。家庭料理から宴会料理までローエンディア王国より繊細で豊富な料理が多い気がしている。


 屋台料理で定番の串焼きも、ローエンディアはスパイス系の味付けが多かったが、聖ペトログリフでは秘伝のタレのような、そのお店独自の味付けを売りにしている店舗が目立つ。

 甘辛から激辛まで種類も豊富で、観光客にとっては食べ歩きだけでも十分楽しめる。


 食文化の豊かさの次に感じたのが、宗教観だろうか。聖ペトログリフ王国は国教であるグリフ教徒が多い。神を信奉しているというより、神の子達が伝えたという生活規範を重要視している風だ。

 それこそ「生肉は食べるな」とか「帰宅したらうがいと手洗いを忘れるな」みたいな、健康に生活を送るためのコツのような生活規範が書かれた聖典なのだという。道徳観念と言い換えてもいいレベルでグリフ教が浸透している。そのためか、民衆の民度が全体的に高い水準だと感じられた。


 西から東へ移動する道すがら、聖ペトログリフ王国の西方辺境伯領の領都に寄ってみた。グランフェニアとローエンベルグの中間程の規模の街だった。入市は探索者プレートの特典で入市税が免除されるのだが、入口で並ぶのは回避できない。長い列で並ぶ間、出店の出張販売なのか串焼きを持ってきて売っていたので、すべて購入した。

 門衛の検閲で馬車の中のチェックと入市の目的を訊ねられたが、いつも通り迷宮都市群に行く旅の途中である旨を答えただけであっさりと通れた。審理の魔眼程ではないだろうが、門衛は何か特殊な技能でもあるのだろうか?チップを渡して探索者ギルドの場所を教えてもらい、そちらへ向かう。

 新しい街についたら、先ずは探索者ギルドに顔を出してお勧めの宿などを聞くのが習慣になっている。教えてもらった宿に移動して四人部屋を一つ押さえると、もう一度探索者ギルドに行って、魔道具屋など探索者ギルドと繋がりの深い業種の、お勧めの店を教えて貰う。

 ある程度情報収集できたところで、依頼ボードに移動して依頼の掲示状況を確認する。


 農畜産業に従事する者が多いせいか、そちら方面の討伐や撃退、罠の相談などの依頼が多かった。

 また、東側に広がる森での狩猟依頼も見受けられる。残念ながら大物に繋がり易いダンジョンはないようだ。


 三日間程は消耗品や食料の購入に時間を取り、その後に王都に向けて発とうという話になった。


「ダンジョンがないなら長居は無用ね。って自然に考えるようになっています」

 ラクスレーヴェがふと気づいた違和感を口にする。

「私もです。毒されましたねぇ」

 アーシェスも同じらしい。

「ラクスとアーシェが早々に馴染んでくれて俺は嬉しいよ」

 旅立ってからの変化の一つで、呼び方を変えていた。お嬢様呼びより愛称呼びを求められたのだ。依頼でお守りしているお嬢様から同じパーティの仲間に変わったのだから、呼び方も改めて欲しいとの事だった。


 消耗品や食料の買い出しが終わると街を後にした。次の目的地は聖ペトログリフ王国の首都【グリフローゼ】である。


 グリフローゼの構造は、古都の面影を残す旧市街区と、計画的に増設された新市街区に大きく分かれる。古都の区画の方が歴史的価値の高さからか、居住費用が高く、面積も狭い。滞在先は新市街区になると思われるが、古都の旧市街区も散策してみたい。

 旧市街区の地下にダンジョンがあるらしいので、そこの探索も考えると少し長めの滞在が予想されていた。


 一行の旅はグリフローゼへと向かって続いていく。



 首都に着くまでの経過で規模の小さな街はすべてスキップして先を急いだ。


 グリフローゼの入市は、新市街区側の門を選ぶ。如何にも古そうな質実剛健な城壁が旧市街区で、新しさが見て取れる城壁が新市街区に続いている。


 探索者ギルドの場所は入市の時点で教えてもらったので直行した。旧市街区と新市街区を繋ぐ内門の新市街区側の広場に目的の場所があった。ギルドの裏手に続く道から厩舎へと移動し、馬車とストレイガル達を預けると、裏口からギルド本館に入っていく。スタッフ専用ルームが並ぶ通路を抜けるとエントランスにつながっていて、今は昼食時な事もあってか繁盛している。


 総合カウンターの一番人の少ない列に並ぶ。例によって厳ついおじさん職員の列だった。順番が回って来ると今日街に着いたこと、お勧めの宿屋を探していること、他にも魔道具屋など探索者に縁のあるお店の情報などを貰う。ダンジョンの話も聞けたので、ついでにダンジョンの公式マップを購入しておいた。


 到着初日はそうやって情報を聞いたら宿屋を取るところまでが大体のパターンだった。今回も四人部屋を一つ確保して部屋に偽装の荷物を置き、一階で食事を摂った。


「他人の作る飯は美味い」

 マツリも大変満足そうにしていた。それ毎回言うね?


「明日はどうする?着いたばかりだし買い物とかにしておくか、それともダンジョンに顔出してみるか」


「「「ダンジョン」」」


 練習したの?っていうくらい揃ってた。やはり魔獣や野盗に襲われない安全な旅は脳筋にとって詰まらないらしい。その鬱憤を晴らす方が重要そうだと改めて思った。

評価とブクマ、ありがとうございます。

急にPV伸びてびっくりしましたけど元気でます。


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