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【完結】方舟の子 ~神代の遺産は今世を謳歌する~  作者: 篠見 雨
第1章 遺失技術と再起動
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第1章 第20話 電撃戦

 翌朝、メイドの案内で食堂に移動しての朝食の席で、サイアリスから尋問の結果を聞いた。

「マリアード侍医はメレア陣営からの指示に従わざるを得なかったようです。告発における重要な証言者になりますので、領都まで同行してもらいます。」

 尋問の結果は大方の予想通りだった。命令に逆らうなら領都に住む家族に危害を加える様な事を仄めかされていたらしい。

「食事後は領都に戻りますか。レイノルドさんは連れて行きますか?」

 エイルが本日の行動に関してサイアリスに聞くと、サイアリスは暫く黙考してから頷いた。

「そうですね……。《黒絹》と一緒に行動してもらった方が、安全だと思います」

 マツリはサイアリスに頷いて同意した。

「目を離した間に害されるのは、面白くないですね。【空間安定化】を使った馬車ならレイノルドさんの負担も少ないでしょうから、それが良いかと」


 食後、フィンレット家の家紋入りの馬車にレイノルドを寝かせて移動を開始した。レイノルドの乗る馬車は若干の【空間拡張】と【空間安定化】が付与されている貴族用な高級仕様だったため、レイノルドへの負担は少なかった。サイアリスとレフィもそちらに乗り込んでいる。

 エイル達が乗ってきた馬車にはエイルとマツリが乗り込んでいるが、フィンレット家の家臣が一名御者に付いてくれているため、【空間安定化】を掛けた荷台に二人は座っていた。


 野盗などの襲撃に備えてエイル達が馬車を先行させ、後ろからフィンレット家の馬車が続く。フィンレット家の馬車の左右と後ろにはレイノルドの護衛に派遣されていた騎士達が騎乗して伴走している。

 その成果か、領都バーグラムへの二日間の移動は、特にトラブルもなく無事に辿り着いた。


◆◆◆◆


 領都バーグラムに着くと衛兵の詰め所に直行し、暗殺者の捕虜二名を引取りと衛兵隊の協力も得られた。


「ここからは電撃戦ですね」

 いよいよフィンレット家の屋敷に乗り込む段階となり、サイアリスが覚悟を示す。

 対処すべきは、メレア陣営のメレア夫人、家令ダンドール、メレア夫人の実子で次男ウォールンの三名。加えて、メレア派の騎士が手勢として立ち塞がる事が予想できた。

対処すべき三名を捕らえ、レイノルドとサイアリスに対する暗殺未遂を告発する。

そのための準備として、暗殺者二名と侍医には隷属魔法で嘘を禁じ、証言者として連れて行く。


 雇ったゴロツキや暗殺者が仕事に失敗していることは気付いているはずだ。傭兵ギルドは《黒絹》がつなぎを作っておいたので、メレア陣営が利用できる戦力は、裏組織のゴロツキと配下の騎士だけのはず。


 「分が悪いと思えば逃げられかねない」とエイルは考えていたが、サイアリスからは「性格的に居直って待ち構えている筈」と、応戦の可能性が高いと言われていた。メレア夫人を直接知らないエイルとマツリは今一理解が出来なかったが、合理的ではない犯罪をする人間は、潮時の判断も合理的に出来ないのだろうとは思えた。


 夕刻、バーグラム領館にフィンレット家の家紋の入った馬車が到着した。先触れもなく予定にない到着であったため門衛が混乱していたものの、サイアリスが家紋入りの短剣を見せて緊急である事を言い含め、敷地の出入りを徹底的に封鎖するよう指示を出した。


「予定通り、最初に私と≪黒絹≫のお二人だけで踏み込みます。主犯三名を抑えた後で、衛兵隊が証人達を連れて来てください」

 サイアリスが最終確認を行い、衛兵長を含めた各自が了承を返す。


「では、状況開始!」

 サイアリスの宣言により、エイルとマツリは屋敷へと踏み込んだ。屋敷のエントランスホールには、執事らしい装束に身を包み、腰に長剣を佩いた背筋の通った壮年の男が、重武装の騎士四名を従えて待ち構えていた。

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