気を失いました。
長いこと寝ていたようです。
「おっ!おい、明日香さん。大丈夫か!」
「だ・・だいじょ・・ぶで・・す。」
そういいながら、私は意識が遠のいた。
どのくらいたったのだろう?
部屋の中が薄暗い。
私が、目を覚ましたことに気が付いたのか、ナトがのぞき込んできた。
『テレパス、ナト。』
『明日香、良かった。気が付いたんだね。』
『私、どうしたの?体が少しだるい。』
『初めて強化を使ったせいだよ。
そのうち慣れて超強化を使っても大丈夫になるよ。』
うーん、そのうち慣れると言われても、
超強化を使う場面が来ないこと祈りたい。
いくら初めて使ったからとはいえ、まさか気を失うとは。
『明日香、美代さんが来るよ。』
『そばにいてくれてありがとう。ナト。』
『どういたしまして。』
『また後でね。テレパス、ダウン。』
すすっと障子が開いて美代さんがお盆を持って入ってきた。
「あら、良かった。気が付いたのね。」
「ご迷惑をおかけしました。」
体を起こそうとすると、やんわりと止められてしまった。
「もう少し休んでいたほうがいいわ。」
「ありがとうございます。ホッとして力が抜けたようです。」
「お梅、主人や虎に明日香さんが目を覚ましたこと伝えてきてちょうだい。」
「はい、奥様。」
「虎の為に、無理をさせてしまってごめんなさいね。
先ほど、お医者様も疲れが出たのだろうと、
そうおっしゃっていたからゆっくりしていてね。」
「ありがとうございます。あの、お医者様まで?よろしかったのでしょうか。」
「そのくらい、気にしないで。虎の命の恩人だから。」
そういいいながら、美代さんは微笑んだ。