もう一人の男
美しく舞うように剣を振る。
すいません、私の技量では無理でしたm(__)m
なので、戦闘シーンあっさり数行で終了。
虎君を壁際に押しやりマントを人影に向けて投げつける。
ファル特製のマントだ。
多少雑に扱っても大丈夫な上に
軽く締めるようにできる優れもの。
人影がもたつく間に手にした木刀で
腕を叩き、続けざまに足に向けて打ち付ける。
虎君の姿を確認し、うめき声をあげている男に
慎重に近づき落ちた合口を取り上げる。
もう一人の男が出てこない。
気付かれてないと思っているのか?
「出てきたら。その陰にいるのはわかっているから。
この男の仲間?」身構えたまま声をかける。
ふっと笑うような息遣いが聞こえ
「明日香さんだっけ、なかなかやるね。」
男は何も持っていないというように手を広げ
影から出てきた。
「あなた誰?」
「それを答える前に。」
スッと懐から扇子を取り出し、打ってきた。
さっと木刀ではらい、打ち込もうとしたが
木刀の先を握られてしまい動けなかった。
『明日香!』
「お姉ちゃん!」
なら、次の手をと動こうとした時だった。
「遊ぶな、一馬。すまねぇ明日香さん。」
「金治さん!」「おじちゃん!」
一馬と呼ばれた男は、木刀を離し扇子を拾うと
「あちゃ!お気に入りの扇子だったんだが。」
壊れて開かない扇子を見て苦笑している。
「あたりまえだ。まったくすまねぇな、明日香さん。」
とりあえず敵ではないようだ。
木刀をしまい、足元に転がって
うめき声をあげている男を見る。
「虎君、知っている顔?」
虎君は、首を振り「知らない。」と答えた。
「一馬、縛っておいてくれ。倉庫の方はもうすぐ片付くはずだ。」
手際よく男を縛り、マントを返してくれた。
「こいつは、俺の女房の弟で一馬、最近この町に戻ってきたので
組合の用心棒兼雑用係をやってもらっている。」
「雑用係は、ひどいな義兄さん。明日香さん、よろしくね。
虎君は、小さいときに一度会っただけだから覚えてないよね?」
「うん、知らないおじさん。」
「おじさん・・・」
虎君の一言にがっくりしている様子に笑いが漏れた。
途中下車ありがとうございます。