ナト活躍する?
私が緊張したことが分かったのだろうか、
和助さんは、女中に部屋まで二人分のお茶を運ぶようにいい
部屋についてくるように促した。
部屋につき、女中がお茶を置いていくと
和助さんは、詳しいことは話せないがと前置きし、
すでに密漁者を捕まえるための準備は、
できているから心配はしていないのだという。
だけど、虎君に関しては心配の種はつきないといい
虎君がやったいたずらや騒ぎを話してくれた。
それを聞いて楽しそうに笑う私を見て安心したのか
今日は風呂に入ってゆっくり寝てくれと
言われ私は部屋を後にした。
風呂に入り早めに寝ることにしたけれど、
昼間寝てしまったせいで、布団に入ってもすぐには眠れず、
ウトウトし始めた頃ナトが話しかけてきた。
「明日香、外に人の気配がする。
念のため見てくるから、動けるようにしておいて。」
「わかった。気を付けて。」ナトを送り出し、
ひもを手に取ってたすき掛けを終えると急に不安になってきた。
オコジョ姿のナトなら、怪しまれて傷つけられる事は
ないだろうから絶対に大丈夫そう思いながら帰りを待った。
おそらくは、数分だったのだろうけど、
ナトが戻ってきた時は、心底ほっとした。
「ナト、遅かったね、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だった。話していたのは和助さんとお役人の二人だった。
明日の作業は予定通りに行われるから、大丈夫だって伝えていたみたい。
だけどもう一人、気付かれないように話を聞いている人もいたよ。」
「もう一人?」
「うん、和助さんたち二人とも気付いていて、
わざと聞かせている感じだった。」
ナトの話を聞いて、それがどういうことなのか考えようとしたが、
クシュンとくしゃみをしてしまい、思いのほか響いた。
そのせいか厠に行こうとしていたのだろう美代さんに聞かれてしまい
早く寝たほうがいいと叱られ、有無を言わさず布団に入れられ
結局、そのまま寝てしまい朝を迎えたのだった。
途中下車ありがとうございます。
話を入り組ませすぎたかと猛省中